海釣りをする上で、虫エサである青イソメ(青虫)は、釣り方や対象魚を選ばない最も汎用的な釣りエサの代表です。
今では釣り達者になった皆さんも、海釣り(堤防釣り)で始めて使った釣りエサが、青イソメだったという方は結構多いのではないでしょうか。
かく言う管理人も、子供の頃に池釣りや川釣りからスタートしたのですが、この時使っていたもっとも身近なエサが、近所の銀杏畑を折り起こせばいくらでも確保できるミミズでした。
そのイメージが身に染み付いたのか、釣りのエサといえば最初にミミズ系の虫エサが頭に浮かび、偶然ではないと思いますが、親父殿と二人で海釣りを始めた際に、最初に使ったエサも青イソメでした。
そんな管理人も、海釣りを始めてはや40年・・・様々な釣りに取り組み、色々なエサを使ってきましたが、未だに『念のために、青イソメ300円』と、使うか否かに関わらず、いざという時の保険のために青イソメを購入する始末です。
それだけ堤防釣りでは万能エサとしての青イソメに対する信頼感が強いわけですが、ここでは、そんな青イソメの付け方について紹介します。
なお、石ゴカイ(ジャリメ)やマムシ(本虫)など他の虫エサでも同じ付け方は出来ますが、虫エサの種類によっては適切でない付け方もあるので、その点はご認識ください。
海釣りの万能虫エサ 青イソメ(青虫)の付け方(刺し方)
青イソメという虫エサについて、その特徴から細かく書き始めると、いつもの悪いパターンで、タイトルそっちのけの長い記事になってしまいそうなので、詳細は別の機会に纏めようと思います。
ここでは、青イソメを使おうと思っている方からのニーズの高い、虫エサの付け方に絞って紹介します。
まずは、初心者さんにも分かるように、青イソメの持ち方から始めましょう。
青イソメを釣り針へ刺すときの持ち方と付け方
青イソメには頭側と尻尾側があり、もちろん進行方向側が頭側ですが、止まっているときも頭にある感覚器を使って辺りを探る仕草をするので、頭側がどちらであるのかはすぐに判断できます。
釣り針へ刺す時は、頭の少し下付近(分かりやすく表現すると首の辺り)を親指と人差し指、あるいは親指と中指で掴みます。
おそらく、掴むと自然に親指側に青イソメの腹側がくると思います。
そうすると、青イソメは次のいずれかの行動を取ります。
- 口から牙を出して威嚇し、あわよくばと噛みついてくる。
- 粘液を出し身体の節をすぼめて、頭が下側へ抜けるように脱出を図ろうとする。
1つ目は、青イソメが元気バリバリの時によくとる行動です。
管理人も子供の頃は皮膚が薄かったのか、噛まれると痛かったような記憶があるのですが、今となっては大したことはありません。
よほど大きな青イソメ(大・中・小などサイズ別で売っている釣りエサ店もある)でなければ、怪我をすることはありません。
2つ目は、傷を負った青イソメがよくとる行動です。
青イソメを刺すのに時間が掛かったり、釣り針に刺し損ねてエサを付けきれなかった場合には、体液が放出されてヌルヌルになりますので、指で摘まんでいても簡単に脱出されてしまいます。
こうなってしまうと、上手くエサを付けるのが難しくなります。
青イソメだけでなく、石ゴカイも細くてよく滑るのですが、いずれも石粉を付けてからエサ付けすれば滑りません。
ただ、虫エサは石粉につけて放置すると確実に弱りますので、まとめて石粉に放り込むのは止めてください。
エサ付けに慣れないうちは、こういった方法でエサを持っても良いでしょうが、弱らせない注意が必要なだけでなく面倒臭いので、とにかく慣れるのが一番です。
青イソメを釣り針へ刺す時には、ガッツリ持って大胆かつスピーディーに行うように心掛けましょう。
なお、虫エサを使いたいけれど、どうしても生理的に手で触れないという方もいると思います。
うちの奥方様もそうですが、女性アングラーの大半は嫌がりますよね。
そういう方には、次のような便利グッズも販売されており、虫エサが苦手な方からもかなりの良い評判を得ています。
虫エサを使えるのと使えないのとでは、釣法によっては致命的な差になるため、虫エサに慣れることから始めるために、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
上記のような、青イソメのような虫エサを挟んで付ける釣り具は色々と種類があるので、自分の使い方に見合った製品を調べてみるのも良いでしょう。
青イソメの行動パターンを知り、青イソメに対する怖れも少しはマシになったでしょうか。
そして、手で触れなくとも、便利グッズを利用するという方法もあるということを知って、『これならエサ付けができそうだ』と思われた人も増えたのではないでしょうか。
それでは、いよいよ青イソメの刺し方について紹介していきましょう。
まずは最も基本的な付け方【通し刺し】
まずは、もっともポピュラーで、汎用性が高い付け方といえる【通し刺し】です。
①の刺し方
- 青イソメが口を開いて牙を出してくる瞬間に、針先を刺し込む。(元気がないと牙は出さないので、普通に刺し込む。)
- 刺し込んだ勢いを止めないで、スイッスイッと青イソメの身体の中を通す。
- 青イソメの口が、釣り針のカーブの所あたりに来たら、腹側から針先を身体の外へ出す。
- そのまま釣り針のチモト近くまで青イソメを通してやる。
- 青イソメは、針の軸に沿わせ、真っ直ぐ下へ抜けるように刺す。
②の刺し方
魚の活性が高く、食いが良い時の付け方で、①で付けた後に、長く垂れ下がった部分を切り落としてやる方法です。
③の刺し方
魚の活性が低く、食いが悪い時の付け方で、硬い頭の部分を切り落としてやり、①と同じように付ける方法です。
通し刺しの付け方の評価
動きによるアピール:★★★☆☆
匂いによるアピール:★★★☆☆
エサの弱るスピード:★★★☆☆
エサの取られにくさ:★★★★☆
エサの外れにくさ :★★★★★
管理人の独断ですが、【通し刺し】について、幾つかの要素について星取で評価してみました。
5つ星が最高で、有利に働く場合に★を増やしています(エサの弱るスピードの場合は、遅ければ★が多いということです)。
【通し刺し】は、エサの動きや匂いによるアピール、そしてエサの弱る速さなど、いずれも平均的ですが、最大の特長は、そのエサ持ちの良さと言えます。
『エサ持ちの良さ』とは、『釣り針から外れにくい』という点と、『魚に取られにくい』という2つ要素がありますが、そのいずれでも他の付け方よりも優れています。
これは投げ釣りなど、エサに強い力が掛かる釣りに対しても使えるということなので、【通し刺し】は釣り方を問わず使えるエサ付けの方法だと言えます。
特殊な釣りでない限り、釣り始めの青イソメの刺し方は、この【通し刺し】で良いのではないでしょうか。
【通し刺し】について、その方法を解説付きの動画で紹介したものも製作しましたので、是非ともご覧下さい。
とにかく活きの良さを重視する【チョン掛け】
次は、エサの付けやすさNo.1で、とにかく青イソメが長い時間、良く動いてくれる【チョン掛け】です。
①の刺し方
- 青イソメが口を開いて牙を出してくる瞬間に、針先を刺し込む。(元気がないと牙は出さないので、普通に刺し込む。)
- 出来るだけ青イソメの身体の中を通さないで、すぐに針先を身体の外(身体の横側か腹側)へ出す。
②の刺し方
硬い口に掛けずに、首のあたりに刺し込んで、そのまま抜く方法です。
チョン掛けの評価
動きによるアピール:★★★★★
匂いによるアピール:★☆☆☆☆
エサの弱るスピード:★★★★★
エサの取られにくさ:★☆☆☆☆
エサの外れにくさ :★☆☆☆☆
この付け方はエサの活きの良さを重視する付け方で、エサに与えるダメージが最も少ないので、長時間エサも元気でいます。
その半面、傷が少ないので匂いによる誘惑は期待できず、釣り針に掛けた部分は最小限なので、エサ持ちは非常に悪いです。
メリットとデメリットが両極端なので、使い方が問われる付け方だと言えます。
エサを丸飲みするロックフィッシュや、サイズのある大物狙いで、あまり強いキャスティングを必要としない釣りに使います。
魚の活性が高い時や、エサ取りが沸いている時などは、チョン掛けを使うのは避けた方が良いでしょう。
【チョン掛け】について、その方法を解説付きの動画で紹介したものも製作しましたので、是非ともご覧下さい。
匂いとボリューム感で誘う【縫い刺し】
次は、匂いとボリュームの誘惑で、魚の食いを良くする【縫い刺し】です。
縫い刺しの刺し方
- 青イソメの口か、首から針先を刺し込む。
- 刺し込んだ勢いを止めないで、反対側へ針先を出す。
- 刺した位置と少し離れた位置で、再度同じように釣り針を青イソメの横から貫通させる。
- 3回~5回程度、青イソメを釣り針で縫うように刺していく。
*刺した際に、少しだけ青イソメの身体の中を通してから針先を抜くのを繰り返す方法もあります。
付け方の評価
動きによるアピール:★☆☆☆☆
匂いによるアピール:★★★★★
エサの弱るスピード:★☆☆☆☆
エサの取られにくさ:★★★☆☆
エサの外れにくさ :★★★★☆
少し面倒な付け方なので、使う機会は少ないと思いますが、魚の食いが悪い時に付ける方法です。
何度も針を刺し込むことで、青イソメの体液が放出され、匂いが出て魚の食い気が上がるというのが第一の特徴で、釣り針のところでボリューム感を持たせるといった副次的な効果もあります。
エサの針持ちは悪い方ではありませんが、とにかく青イソメの弱りが早いので、結果的にエサを付け直す回数は増えてしまいます。
魚の活性が低く、何か良い方法はないかと思った時に、この付け方のことを思い出して、試してみてはいかがでしょうか。
ただし、虫エサ挟みのような便利グッズを使って付けるのは、少しばかり難しいと思います。
【縫い刺し】について、その方法を解説付きの動画で紹介したものも製作しましたので、是非ともご覧下さい。
夜釣りの大物狙いでガッツリ食わす【房掛け】
最後に、夜釣りやブッコミ釣りなどで、大物を狙う場合によく使う【房掛け】について紹介します。
①の刺し方
- 1匹目の青イソメを通し刺しで付ける。
- 2匹目以降はチョン掛けで付ける(口刺しでも頭刺しでもOK)。
- 釣り針の大きさに合わせて、3匹~5匹程度付ける。
- 最後の1匹はストッパーになるので、必ず硬い口の部分を通るように刺す。
②の付け方
青イソメのサイズはバラバラですので、①で付けた後に、ある程度長さを揃えてやるためにカットすることがあります。
匂いの効果が出る反面、動きは悪くなり、弱りも早くなりますので、魚の食い気の良し悪しを判断して行いましょう。
付け方の評価
動きによるアピール:★★★★☆
匂いによるアピール:★★★☆☆
エサの弱るスピード:★★★★☆
エサの取られにくさ:★★★★★
エサの外れにくさ:★★☆☆☆
この付け方は、小さな釣り針に付けるような方法ではありませんので、青イソメの付け方の中では、一番ターゲットが限定される付け方になります。
これだけ派手にエサを付けても、ガッツリとエサを丸呑みするような大物が対象であり、ほとんどは夜釣りでの使い方になると言えます。
エサの付け方の評価としては、総じて高評価になるのですが、多少の手間とコストがかかるのは否めません。
【房掛け】について、その方法を解説付きの動画で紹介したものも製作しましたので、是非ともご覧下さい。
以上で、海釣りの万能虫エサである青イソメ(青虫)の付け方の紹介を終わります。
いかがでしょう、青イソメを釣り針に付けるイメージトレーニングは終わりましたか。
生きエサにしか興味を示さない魚もたくさんいますので、青イソメに限らず、虫エサを使うことで、釣りの幅はグッと広がります。
この記事を最後までご覧頂いた方の多くは、青イソメ(その他の虫エサを含むかな?)を使おうかどうか迷っている方だと思います。
是非とも頑張って使ってみてやって下さい。
使い続けているうちに慣れてくると、不思議な事に、愛着すら湧いてくるようになりますので・・・
それでは、良きフィッシングライフを!!
【追記】
『いや、やっぱダメ!エサ付けの補助道具使おうが何しようが、気持ち悪い!恐い!!』というあなたへ。
最終手段として、嫌な匂いすらない、以下のような製品もあるので検討されてみてはいかがでしょう。
ゴム製の疑似エサなので、もちろん生きエサには及びませんが、堤防釣りの対象魚の多くは普通に釣れます。
常温保存が効くので、管理人もエサを切らしてしまった時のために、一応は常備しています。
ただし、潮の流れの緩い釣り場でのウキ釣りでは、食いが極端に落ちますので、その点は認識しておいて下さい。
際釣りや穴釣りなどの探り釣りで、ロックフィッシュを誘いながら釣るのには、結構使えると思います。
これが釣りエサ関係のベストセラー商品だということは、管理人が思っている以上に、虫エサを受け付けないという方は多いのでしょうね。
追記ではなく、記事作成当初より、ここまで配慮すべきでした。
機会があれば、人工イソメの紹介記事なども作成しようと思います。
それでは、改めまして、良きフィッシングライフを!!
コメント
コメント一覧 (2件)
右クリック、文章のコピペができないのが残念
いいサイトなのに、気になったことを検索するのもコピペでできないっす。
意図的なら仕方ないないですが、今時に右クリ不可はどうかなって思います。。。
匿名さま
サイトを訪問頂いただけでなく、お褒めの言葉もいただき、ありがとうございます。
ご利用時にご不便をお掛けしたようですが、コピペ禁止は意図的に行っております。
管理人としてもサイトとしても、メリット・デメリットがあるのですが、訳あって現状の運用にしております。、
どうぞご理解を頂きますよう、宜しくお願いします。
ガチろっくん