梅雨時期から夏場にかけての波止釣りでは、タコエギでタコを釣るオクトパッシングが人気です。
オクトパッシングは根ズレや根掛かりの多いルアーフィッシングということで、タコエギに結ぶラインとしてフロロカーボンなどのリーダーを採用されている方も多いと思います。
管理人自身も少し前までは、2号~3号のPEラインに、フロロリーダーの8号や10号を1mほど結んでタコエギに繋いでいました。
ただ続けていて思ったのですが、根掛かりで切れることはあっても、意外と根ズレでラインが傷んで切れるといったケースは少ない気がします。
そこで最近は専ら、PEラインをタコエギに直結させて使うようになりましたが、リーダーなしのタコ釣りでも何ら悪影響は出ていません。
むしろ、デメリットよりもメリットの方が上回っていると感じられる程です。
ここでは、管理人が使っている8の字チチワ結びでタコエギにPEラインを直結で結ぶ方法について紹介します。
タコエギにPEラインを直結で結ぶ方法【8の字チチワ結び】
8の字チチワ結びというのは、8の字結び(エイトノット)でチチワを作り、作ったチチワの中にタコエギを通して固定するという非常に簡単で速い結び方です。
胴突き仕掛けで使われることが多い結び方ですが、チチワの部分を大きく取ることでアイに固定部分から折り返した分だけにダブルライン(2重ライン)の効果が得られます。
今回は8の字結びの強度を上げるために、ダブルエイトノットを採用しています。
様々な用途がある結び方で覚えておいて損はないので、是非とも最後までご覧下さい。
まずはPEラインに8の字(ダブルエイトノット)を作る
最初にお伝えしておきますが、右利きを想定した説明になります。
まず最初に端糸を折り返して、2本のラインを合わせます。
折り返した長さの分だけ、後ほどルアーのアイに通した際のダブルラインになります。
あまり長く取る必要はないので、20cm~30cmと考えておきましょう。
折り返したら、端糸付近を左指で交点としてを押さえ、この部分をエイトノットで結びます。
左指で押さえた交点から、5cm~10cmほどのポイントを右指でつまみ、左指より下側から左指の方へ近づけます。
左指で持つ方が上側、右指で持つ方が下側にくるようなクロスとなり、自然と輪が出来上がります。
クロスした場所を新たな交点として左指で押さえ直します。
作る大きさの輪は、指2本入るくらいあれば良いでしょう。
輪が大き過ぎたり小さ過ぎれば、左指の交点は押さえたままで、ダブルラインを引いたり、送り込むことで調整可能です。
輪の中へ右指(人差し指が良い)を突っ込みます。
指先を自分のいる手前側から下に降って、ぐるりと回して元の位置へ戻るように捻ります。
このねじりを2回繰り返すのが、ダブルエイトノットになります。
タコ釣りはラインや結び目に掛かる負荷が大きく、やはり結束強度は欲しいのでダブルが無難です。
一応1周だけでも8の字結びになりますが、その場合は8の字結びの後にハーフヒッチを入れた方が良いでしょう。
2回捻った後の状態です。
あまりガチガチに引っ張って捻らないで、軽く捻じれている程度になるようにフワッと捻りましょう。
そうでないと、PEを使ってダブルやトリプルで8の字結びをする時には、上手く締まらずにダンゴ結びのようになってしまいます。
捻りが戻ってしまわないように、左指で再度交点を押さえ直します。
右手がフリーになるので、折り返し部分の先端を輪の中へ通し、軽く引いていきます。
ゆっくりと左右に引いていくと、エイトノットの由来である8の字になるのが確認できます。
そのまま左右に引き続け、両側から8の字が締まり切れば、更にグッと強く引いて完成です。
ノットを締め込む時には結び目を濡らすのが基本ですが、ある程度太さのあるPEラインで、なおかつ摩擦が起きないようにゆっくりと締め込めばその必要はありません。
一気に引くと片側だけが締まりダンゴ結びのようにになりやすく、本来の結束強度が出ませんので、くれぐれも気を付けて下さい。
左指のところにダブルエイトノットの結び目がありますが、これくらいの大きなチチワになります。
輪をピンと張った状態にした時、結び目から先端までの長さがダブルラインになる長さです。
シモリの深さが心配なら、スタート時の折り返しを長くとっておけば、輪はおおきくなり、ダブルライン部分は長くなるという事です。
通常は20cm~30cm程度、まあどれだけ長くても50cmもあれば十分かと思います。
結び目は解けたりしないので、余った端糸は普通にカットします。
先程少し伝えましたが、シングルでエイトノットを組むのであれば、カット前にハーフヒッチを3回ほど入れておくと良いでしょう。
その場合は、エイトノットを組む際、少し端糸を長く取っておくとハーフヒッチも入れやすいですね。
ダブルラインの先端部分に結びを入れておきます。
結びの種類は何でも良いので、ここではダンゴ結びにしています。
この結びを入れる時は、ダブルラインの一方が緩まないよう、シッカリと2本合わせて引っ張ってから結んでください。
ダブルラインの先端部分に結び目が入りました。
結び目より先の先端部分は本当にちょこっと出ているだけ(1cm以下)でOKです。
ラインを張ればダブルラインが1本のように見えていますが、万一これが緩んで2に本見えるようだとダブルの強度が得られません。
結ぶ時にシッカリと2本合わせて引っ張ってから結ぶのはこのためです。
ここまでの作業は、慣れれば30秒くらい、時間が掛かっても1分もあれば出来ます。
チチワ結びでタコエギに連結させる
次は出来たチチワを使って、タコエギに連結させていきます。
まず先端部分をタコエギのアイに通していきます。
上からでも下からでも同じように結べますが、ここでは下から通してみます。
通した先端をタコエギのお尻の方まで引っ張っていき、チチワの中へタコエギを通します。
本線を引いていくと、通した輪はアイの方へ近づいていきます。
ヒゲ(羽)や脚など、タコエギの装飾品を避けながらチチワを締めていきます。
一気にフィニッシュとしても良かったのですが、一応本線を引いてチチワが締まりきる直前の状態も載せておきます。
ここから更に本線を引いていきます。
チチワを使ったPEラインとタコエギとの連結の完了です。
もうお分かりですが、アイとつながったPEラインはエイトノットの部分まで2重(ダブルライン)になっています。
同じPEラインを直結させるにしても、普通にシングルで結ぶよりも、根ズレなどに対する強度アップが見込めます。
ショックリーダーを使わずにPEを直結するようになったのは、根ズレに対する懸念がなくなったことに起因しています。
因みに、先端部分に作ったポチを引っ張ってみて下さい。
ポチを引けば先ほど締め込んだチチワが緩むのが分かります。
さらに引っ張っていくとラインがアイの中を戻っていくので、先ほどとは逆に輪の中へタコエギを通してやるとタコエギが外れます。
チチワ結びで先端につまみ部分を作っておけば、タコエギ交換を行うのも簡単で迅速です。
根掛かりでエギを失う時は取り付けた釣具もすべて失うので、エギ交換の為のスナップ付サルカンなどを使わなくて良ければ、コスト削減にもなりますね。
因みにチチワ結びでエギに連結させるのは10秒くらいで出来ます。
ということは、最初のダブルエイトノットから先端のダンゴ結び、そしてチチワの連結までで1分もあれば結べるということです。
そしてエギ交換は、30秒以内で可能ということになります。
タコエギにPEラインを直結で結ぶ際のメリット
それでは最後にこの結び方におけるメリットを纏めておきましょう。
8の字チチワ結びのメリット
- 簡単で速く結べる
- ダブルラインで根ズレに強い
- 連結後のタコエギ交換が可能
- 直結で手応えがダイレクト
- ショックリーダー不要でコスト削減
- リーダーとの結び目破断の心配なし
- スナップなども不要でコスト削減
結び方の紹介では出てきませんでしたが、伸びがないPEラインの直結ということで、タコエギをズル引きしても海底の様子がダイレクトに伝わります。
また、アタリに対するアワセもダイレクトで、張り付いたタコを剥がしやすいというメリットなどもあるかと思います。
デメリットはほとんどありませんが、強いて言うならとPEラインの直結という視点で無理くり探してみました。
PEラインの直結でのメリット
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- 高切れするリスクがある
- タックルは強固なものが必要
この結び方では、ほぼダブルラインのところで切れることがなく、根掛かりなどで切れる場合はエイトノットの結束部より上で切れます。
ラインの痛みが出ている場所や、規格上の平均径よりも細くなった部分で切れるので、遠投している場合などは思わぬところでPEラインが切れ、たくさん失うリスクがあります。
とはいっても、新品のラインでない限りは、使われている部分が劣化しているので、経験上はたいていエイトノットに近い位置で切れてくれます。
もう一点はリーダーによるショック吸収がないので、ライトタックルでオクトパッシングする場合は、急な衝撃は穂先の破損に繋がるので注意です。
以上、タコエギをPEラインで直結する方法の紹介でした。
非常に有用な結び方で他のものへの応用も効くので、現在ショックリーダーを使われている方や、すでにPE直結をシングルで行っている方も是非とも一度お試し下さい。
使い始めると楽なので止められなくなりますよ。
この結び方については、動画でも紹介していますので、ご興味のある方は是非ともご覧下さい
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