釣り針については、いくつかの交換すべきタイミングというものがあります。
自宅で釣り道具の整理をしたり、釣行前に仕掛けの準備をしている時には、再利用を考えて持ち帰った釣り針の劣化度合いや錆にも気が付きます。
このような時間に余裕のある時は、新たな釣り針を準備しておくことも億劫にはならないでしょう。
ところが、いざ釣り場で釣りをしている最中ですと、なかなか意識して釣り針が適切に使用できているのかを確認することもなくなります。
釣り針の交換は、釣りを行っている現場でこそ必要になるものですが、釣り経験の浅い人ほど、その重要性を認識している人は少ないと言えるでしょう。
ここでは釣り針の交換を意識すべきタイミングについて纏め、改めて釣り針の重要性について認識したいと思います。
釣り針を交換するタイミングとその重要性
釣りを行う上で、釣り針はターゲットである魚との唯一の接点であり、その重要性を疑う人はいないでしょう。
ではその重要な釣り仕掛けの一部である釣り針を、常に適切な状態で使用していると言い切れるでしょうか。
残念ながら、この記事を書いている管理人自身ですら、そうは言い切れない現実がそこにはあります。
その理由の最も大なる部分は、『面倒臭い』、『まあエエやろ』、『まだ時合までには時間がある』などといった自分自身の不精であり、釣り針を交換すべき時が来ても、疎かにしていることが多々あります。
ただ、『交換すべき時』を知っているのと知らないのとでは、明らかにその後の対応は変わってきますので、自分自身に言い聞かせるということも含め、敢えてここで紹介しようと思います。
釣り針は本来再利用するべきではない
海釣りで一度使った使った釣り針を再使用するというのは、推奨できることではありません。
本来であれば、「一度使った釣り針はその日限りの使用とし、次に釣行に出る際には、新しい釣り針をセットしましょう」と、メーカーが喜ぶようなことを言いたいのはやまやまです。
しかしながら、そんなことをしていると、釣行時に針交換をすればするほど、掛かるコストは膨らむ一方です。
常にコストを意識しながら釣行に勤しむ管理人のスタンスでは、一度使った釣り針の再使用は常なることです。
釣行後は、針についたハリスを切り落とし、バラ針の状態で真水にさらし、よく水を切って、再使用針として別途保管しておきます。
別途保管しておくのは、再使用針というのを一目で認識できるのと、新品の針と一緒にして錆がうつったりするのを避けるためです。
再使用する釣り針はジップロックに保管
管理人は再使用針を小さなジップロックに保管しており、使用タイミングや種類が複数ある場合には、写真のようにジップロックの中に、更に小袋を入れて別々に保管したりしています。
ただし、再使用針は時間の経過とともに劣化が進んだりもしますので、再使用しようと思った時に、以下に該当するような場合は、再使用を諦めます。
- 目で見て錆の浮きが確認される場合
- 針先に鋭さがなく鈍っている場合
一点目は前回釣行後に錆はなくとも、見えない錆が時間の経過とともに進むケースが多々ありますので、あくまで再使用時に問題がないか確認します。
二点目は見た目だけで判断できませんので、以下のようにして確認します。
針先の鋭さを爪に当ててチェック
包丁の研ぎ具合を確認する場合にも刃を爪に当てて確認したりしますが、同じように針先を爪に軽く押し当て、滑らないかどうかの確認をします。
針先が爪に引っ掛かってずらそうとしても止まったままの場合はOKですが、滑ってしまう場合は再使用するのは避けましょう。
以上、一度使った釣り針の再使用については、使用後の釣り針の手入れと、使用前の状態の判断で行えば良いかと思います。
なお、釣り針を砥ぎ直して再利用するといったことを行う方もいますが、少なくとも国内産の釣り針に対しては、止めておいた方が無難でしょう。
釣り針のほとんどは鉄であり、内部に柔軟性を持たせ、表面だけ焼き入れによって硬化させた造りとなっているため、砥ぎ直すと表面の焼き入れが剥がれ落ち、思うように鋭利性を戻せないのと、針の強度が極端に損なわれてしまいます。
砥ぎ直しが必要だと思えるほどなら、諦めて新品を使用することをお勧めします。
釣りの最中、釣り針を交換するタイミング
次は釣りの最中、どのようなケースで釣り針を交換すべきタイミングが来たり、気付いたりするのかについて纏めます。
- 根掛かりした後
- 素バリを引くケースが多い時
- 釣れる魚のサイズに合っていない時
- 魚の食いが悪い場合
- 口(歯)の硬い魚を掛けた後
- 飲み込まれた針を外すのが困難だった時
順を追って、簡単に説明を加えておきましょう。
根掛かり後は最も針がダメージを受けるケースが多い
根掛かりにも様々なケースがありますが、針が根に掛かってしまうと、針の性能が発揮できなくなることが多くあります。
すなわち、針先の鋭さが損なわれたり、針が曲がってしまうケースですが、このような場合は針を交換しましょう。
素バリを引くケースが多い場合
素バリを引く原因の主な理由は、『相手がエサ取りで針掛かりが悪い』や『針が大きすぎる』などですが、実は針先に鋭さがないという点も理由の一つに挙げられます。
素バリを引くケースが多い場合は、針先の確認を行いましょう。
魚のサイズに針があっていない場合
前述の素バリを引くケースにも関係しますが、釣れる魚のサイズに針の大きさが合っていないという事は多々あります。
釣れている魚が本来のターゲットとなる魚と違う場合はそのままでも良いでしょうが、釣れるメインターゲットのサイズが考えていたサイズと違う場合は、面倒でも針を交換してしまった方が良いでしょう。
そうすることで、より釣果を伸ばせるキッカケになるかもしれません。
魚の食いが悪い日は、使う針の種類や大きさを検討
釣りをしていると、どうにも魚の食いが悪いと感じることもよくあります。
このような場合は、ワンランク小さめの針に変えるとか、太軸の針を使っている場合なら細軸の針に変えてみるなどの試みを行ってはいかがでしょうか。
針の劣化による交換ではなく、面倒に考えがちですが、そうすることで、釣果が改善されるケースもあります。
口(歯)の硬い魚を掛けた後
口や歯が硬い魚は、しっかりと合わせを行わないと針掛かりしないケースが多いのですが、波止釣りで口や歯が硬い魚と言えば、チヌ、ボラ、イシダイ(サンバソウ)、コチなどがそれに該当します。
口も歯も硬いイシダイ
(出典:MS http://zukan.com/fish/leaf46829)
また、エサ取りではフグやカワハギ、ベラなどが該当しますが、特にフグに針を折られたり、ハリスを噛み切られたりというのは、日常よく経験することです。
そして、これらは大物になるほど、針先を鈍らせる要因となったり、針を外す際に曲げてしまったりする原因になりますので、掛けた後は釣り針の状態をチェックするようにしましょう。
飲み込まれた針を外すのが困難だった時
最後にもう一つ、飲み込まれた針を指で外すのが困難だった場合に、針外しやプライヤーを使用するケースがあります。
アイテムを使うことで針がすぐに外れれば良いですが、なかなか外れずに金属性のアイテムで針をグリグリとかき回すようなことになると、針や針先にダメージを与えるだけでなく、ハリスや結び目にも傷が入ってしまうことがあります。
また、歯でハリスが傷んでいるケースも多いので、針を飲み込まれた後は、ハリスを含めた針の状態をチェックするようにしましょう。
歯の硬い魚に針を飲まれたら二重のリスク
いかがでしょうか、釣り針の交換を検討するケースも含めて書き出せば、非常に多くの交換タイミングがあります。
特に軸の細い針を使っている場合は、上記に挙げたような理由で針先の返しが潰れたり、曲がってしまうケースも頻繁に発生します。
袖針などは指でも曲りを修正できるほど柔らかいので、多少の曲りは修正して使えば良いと思いますが、その代わりに強度は確実に低下しますので、次回の釣行時に再利用することは止めておいた方が良いでしょう
時には「まあ、エエか」で済ましてしまうこともある釣り針の交換、いざという時に折角の大物を逃してしまわない為に、記事をご覧頂いたこの機会に、今一度その重要性を再認識してみてはいかがでしょうか。
コメント