三寒四温を繰り返す釣り難しい3月も終わり、桜も満開の時期を迎えたことで、いよいよ大阪湾の海釣りシーズンも開幕です。
海釣りといっても、ここで扱うのは陸から行う波止釣りのことなので、多くの魚にとっての適水温に至るのはもう少し先で、5月中旬頃だといえるでしょうか。
ただ、乗っ込みが始まる人気の魚や、なだらかに上昇する水温変化は魚の活性上昇に好ましく、やはり大阪湾では4月が波止釣りシーズンの開幕といって良いのではないでしょうか。
当サイトではこれまで、波止釣りで釣れる魚と関連性が高い情報の配信を数多く行ってきましたが、1点大きな抜けがあることに気付きました。
普段自身の釣行記事を紹介していることで今まで気付きませんでしたが、まさに自身が出掛けている大阪湾において釣れる魚の紹介をしていませんでした。
時期によって釣り方を変える(釣れている魚を狙いに行く)管理人が行う釣りの範囲は、比較的広い方かと思っていますが、ここ近年で取り組んでいる釣りでは釣れることがない魚も数多くいるのが実情です。
そこで今回は、大阪湾の波止釣りで釣れる魚について、管理人の釣り実績に関わらず、一挙に紹介しようと思います。
大阪湾で釣れる魚 ~波止釣りの対象魚を一挙紹介~
管理人自身は大阪市内在住ですが、若い頃は泉南から和歌山北部を主戦場とし、時折淡路島や京都へ遠征といった具合で、釣りに出掛けるとなれば夜明け前から陽が沈むまでの終日というのが常でした。
近年は日中は家族サービス、釣りに出掛けるのは朝のマズメ時から午前中、もしくは夕方のマズメ時から半夜釣りというケースの短時間釣行が増えました。
釣りに取り組むスタイルの変化もあり、大阪近郊での釣りの機会が増えているのも最近の釣行の特徴です。
管理人もそうですが、大阪湾で今釣れる魚は何かということを調べて釣行に出掛ける方は多いと思うので、一応ここでは、春夏秋冬のいずれかに釣れる魚を分類して、時期ごとにおすすめの魚として紹介しようと思います。
もちろん時期をまたいで長いスパンで釣れる魚や、周年釣れる魚もいるので、個々の魚種情報の中に釣期も記載しておきます。
ただし、偏に大阪湾といっても非常に広い海域となりますので、どの釣り場で何が釣れるというところまでは紹介出来ませんので、悪しからずご了承下さい。
大阪湾は、南は田倉崎(和歌山市)と生石鼻(淡路島)を結ぶ線(紀淡海峡)、西北は松帆崎(淡路島)と朝霧川河口左岸(明石市)を結ぶ線(明石海峡)及び陸地(兵庫県・大阪府・和歌山県)によって囲まれた海域。
大阪湾の水温変化
大阪湾で釣れる魚を紹介する前に、大阪湾における年間の気温と水温の変化を紹介しておきましょう。
以下は浜寺航路にある観測ポイントで得られた温度データのうち、表層付近の海水温と10m深度の海水温をプロットしたものです。
須磨や岸和田でもそれほど大きな変化はなかったので、大阪湾の広い範囲で釣行時の参考になると思います。
海は水温が変化しにくく、同一日内での時間帯による水温変化はそれほど気に掛ける必要はないかもしれません。
それ以上に重視すべきは、対象となる魚の生息域の水深による温度変化です。
海には結構な深さがあり海流もあるため、表面の海水温と底付近の海水温は異なります。
温度推移を見れもらえば分かりますが、大阪湾奥の年間海水温は表層が10℃~28℃程度で推移し、10mポイントでは10℃~25℃程度で推移しています。
比較的高い水温で推移する大阪湾では、大抵の魚にとって年間を通して生存水温を下回るような厳しい水温環境はなく、一年のうちの相当な期間が釣り対象となる多くの魚種の適水温に合致します。
このことから、大阪湾における海釣り環境は、釣り人にとっては非常に有難い釣り環境だと言えます。
なお、波止釣りで釣れる魚の時期と水温との関係性については、かなりの一致をみせることを過去に紹介しました。
詳しくはこちらの記事を参考にしてもらえれば幸いです
前述のように以下では、大阪湾で釣れる魚について季節に分けて紹介しますが、一応は管理人の主観ではなく、大阪湾の水温変化や個々の魚種の適水温など客観的な指標も考慮して分類します。
もちろん各種釣りサイトでの釣果情報なども参考にしているので、それなりに説得力のある時期に分類されていると思います。
かなり前置きが長くなってしまいましたが、それでは改めて、大阪湾で釣れる魚を一気に紹介したいと思います。
春の大阪湾で釣れる魚(3月、4月、5月)
春は大阪湾の波止釣りのシーズンインとなる季節です。
3月はまだまだ水温も低く難しい釣りが要求されますが、4月に入ると波止釣りの人気の釣魚が揃い踏みとなります。
まだファミリーフィッシング向きの時期には少し日がありますが、日々釣果が上向いてくる楽しみな季節です。
クロダイ(チヌ)
ベストシーズン:4月、9月
釣れる時期:周年
クロダイ(チヌ)は、大阪湾では湾奥での釣り場も含めて一年中釣果が上がる魚です。
3月から4月にかけては乗っ込み(産卵のために浅場で荒食いする行動)の時期となり、50cmを超える大物(年無しと呼ばれる)が狙えます。
夏から秋も良く釣れますが、数釣りが出来る代わりにサイズが小さくなるのが特徴です。
シーバス(スズキ、ハネ)
ベストシーズン:5月、10月
釣れる時期:周年
シーバス(スズキ)は、大阪湾では河口がメインフィールドとなりますが、湾奥でもハネの数釣りが楽しめるなど、一年中釣果が期待できる魚です。
産卵後の体力回復が見込める3月頃から釣れ始め、ベイトの発生とバチ抜け等のシーズナルパターンが続く4月、5月と好調が続きます。
秋の10月、11月も好釣期となっており、夏は河川を遡る個体が増えるのでフィールドが散り、冬はセイゴクラスが多くなります。
メバル
ベストシーズン:5月
釣れる時期:12月~6月
春告げ魚と言われるメバルは、厳冬期の産卵明けはパッタリと釣果が止まりますが、3月頃からポツポツ釣れ始めます。
数・サイズともに期待できる4月、5月が本番で、6月の梅雨メバルの頃に大型が爆釣することもあります。
波止釣りでは夜釣りがメインとなりますが、潮が大きく動く日で、満潮前後の潮があまり動かない時間帯が狙い目です。
アオリイカ
ベストシーズン:5月、10月
釣れる時期:3月~6月、9月~12月
水質の良い海でしか釣れないアオリイカということもあり、大阪湾では沖堤を除けば、垂水以西か泉南以南の狭い範囲が釣り場となりますが、近年では岸和田界隈でも釣果を目にする機会があります。
シーズンは春の親イカと秋の新子の時期に二分されますが、秋には紹介する魚種も多いので春の対象魚としてピックアップしました。
春イカの時期は梅雨前くらいまで続きますが、そもそも大阪湾では数釣れるターゲットではないので、エギング・ヤエン釣り問わずボウズ覚悟の釣りとなります。
コウイカ
ベストシーズン:4月、10月
釣れる時期:3月~5月、9月~11月
アオリイカと同じく大阪湾でコウイカが釣れる釣り場は決して多くありません。
泉南を越えて和歌山へ入るか、明石以西になると釣果もグッと上向くようですが、コウイカはアオリイカ同様、大阪湾でメインとして狙うには難しいターゲットです。
大阪湾では秋のアオリの時期に、エギングをする釣り人が増えるので、ついでにコウイカの釣果も増えるといったところです。
夏の大阪湾で釣れる魚(6月、7月、8月)
夏の大阪湾は、小型の青魚が接岸し、ファミリーフィッシングで大盛況となる季節です。
それと合わせて、この時期独特の人気の釣魚もいるので、様々な釣り方が楽しめる季節です。
日中は厳しい暑さとなり、夜釣りをメインに釣行に出掛ける釣り人さんも多いことでしょう。
キス
ベストシーズン:4月、10月
釣れる時期:5月~11月
投げ釣りやちょい投げの対象魚として大人気のキスですが、大阪湾では比較的何処でも狙えるターゲットです。
低水温には強くない魚なので初夏から秋口がメインシーズンとなりますが、この時期になれば大阪湾の湾奥ポイントでも釣れる場所が多くあります。
サーフ(砂浜)ではなく波止釣りのちょい投げでも十分釣果は期待できるので、ファミリーフィッシングの一つとして取り組むのも良いのではないでしょうか。
マダコ
ベストシーズン:7月
釣れる時期:6月~10月
タコは大阪湾の中でも漁業権の設定されていない釣り場で大人気のターゲットです。
定番のタコジグの釣りに加え、タコエギのオクトパッシングも加わり、近年では大阪湾の夏の釣りと言えばタコ釣りというのが夏の風物詩となりつつあります。
岸和田一文字や武庫川一文字などの沖堤では、初夏からの新子の時期になれば2桁釣果も難しくなく、大釣りを臨まなければオカッパリでも十分釣果は期待できます。
ただし、大物のキロタコ狙いであれば、シーズン序盤かシーズン終了後の2択になり、そうなると一気に玄人色が強まります。
グレ
ベストシーズン:6月
釣れる時期:5月~11月
磯の上物としてのグレはどちらかといえば冬のターゲットですが、大阪湾の波止釣りのグレは初夏の頃に良く釣れます。
特に梅雨時期に釣れるグレは梅雨グレといって大型狙える時期ですが、波止釣りでも梅雨の前後が最も数・サイズが期待できる時期となります。
そうはいっても、大阪湾で釣れるグレは良くて30cmといったところで、釣果の大半は木っ端グレとなります。
サバ
ベストシーズン:8月、12月
釣れる時期:7月~12月
本当は旬の大サバが回遊する秋から冬の釣りとして紹介したいサバですが、寒い時期のサバは釣果にムラがあり、簡単に釣れるターゲットではありません。
夏の大阪湾の釣りでは、釣れる魚として紹介できる魚が多くないので、ここではファミリーフィッシング時期の対象魚としてサバを取り上げました。
サバは夏のサビキ釣りで、アジやイワシと合わせて爆釣することが多い魚ですが、この時期のサバは豆サバや子サバが中心となることはご認識下さい。
キュウセンベラ
ベストシーズン:8月
釣れる時期:6月~10月
大阪湾では夏の五目釣りのターゲットとなるキュウセンですが、マズメ時を外した日が上がっても狙える嬉しいターゲットです。
堤防釣りでは外道として扱われることも多いですが、キュウセンは釣れる時期と旬が夏で一致する魚なので、釣果がない時はお土産にしても良いのではないでしょうか。
アナゴ
ベストシーズン:8月
釣れる時期:周年
夜釣りの対象魚であるアナゴは、夜釣りを行う夏の時期に釣果が多い魚ですが、大阪湾では実は厳冬期である2月前後を除けば周年釣れる魚です。
夏は日が落ちる時間が遅いということもあり、その延長線上で釣果が出るケースが多いというのもあるでしょうか。
夜釣りに出掛けることが多い管理人自身は、むしろ冬場の半夜釣りでちょい投げというかブッコミ釣りでアナゴを釣りに出掛けることもあります。
アナゴは21時を過ぎると急激に食いが渋くなる傾向があるので、短い時合にパタパタと釣れる傾向が強い魚だと認識しています。
アイゴ
ベストシーズン:8月
釣れる時期:6月~10月
大阪湾では決して多くないアイゴの釣果ですが、小物のバリコはサビキ釣りなどでも釣れるケースがあります。
アイゴは非常に引きが強い魚で、30cmを超えてくると強烈な引き味を楽しめ、実は食べても非常に美味しい魚です。
ただし、ヒレに強烈な毒があるので扱いに細心の注意を要する点と、捌く時に内臓をつぶしてしまうと強烈な磯臭さが身に移るというデメリットもあります。
ファミリーさんはアイゴを知らないケースも多いと思うので、決して素手で触ってはいけない魚だと認識しておいて下さい。
アイゴの棘条は太く鋭いため、油断するとすぐに刺さってしまうため、釣果として持ち帰る場合には、はさみで上下のヒレを全て切り落としてしまうのが良いでしょう。
秋の大阪湾で釣れる魚(9月、10月、11月)
馬肥ゆる秋は、大阪湾の釣りにとっても最も釣果が期待できるベストシーズンです。
夏にワンサイズ足りなかった獲物も成長し、釣って楽しい食べて美味しい魚が盛りだくさんです。
何を狙いに行くか迷えるほど、多くの魅力ある魚があなたを待っています。
アジ
ベストシーズン:9月
釣れる時期:6月~12月
堤防釣りのターゲットとして不動の一番人気を誇るアジですが、シーズンによって釣り方や釣れるサイズが大きく変わる魚です。
ここではファミリーさんでも数、サイズともに釣って納得の初秋におすすめの対象魚として紹介します。
安定の豆アジや小アジ狙いなら、湾奥で日中でも回遊のある夏場から秋口のサビキ釣りや投げサビキがおすすめで、アジングを楽しむ場合は少し遅れて晩秋から初冬が良いでしょう。
あと、年によってはバラツキが強くなると思いますが、湾内居着きで越冬組の春アジが釣れている時は良型が多く混じり、投げサビキや夜間のアジングで狙うのも面白いと思います。
タチウオ(太刀魚)
ベストシーズン:9月
釣れる時期:7月~12月
タチウオの電気ウキ釣りは、大阪湾では夏の夜の風物詩とも言える程に大人気のターゲットです。
シーズン序盤の初夏に接岸するタイミングが最も数釣れるのですが、この時期は指2本クラスの細いサイズが主流なので、ここでは3本以上が釣りやすい秋のターゲットとして紹介します。
シーズン序盤はワインドやライトジギングなどの手返しの良い釣り向きで、秋口に入ればテンヤの引き釣りや電気ウキ釣りなどのエサ釣りがお勧めです。
ハマチ(ツバス、メジロ、ブリ)
ベストシーズン:11月
釣れる時期:6月~12月
梅雨の終わり頃から回遊してくる青物のハマチですが、初夏の頃には30cmクラスのツバスが大半です。
沖提とオカッパリではワンサイズ違うのは否めませんが、秋を迎える頃にはオカッパリでもライトショアジギングや呑ませ釣りでハマチサイズの釣果が期待できるようになります。
数・サイズ込みで最も期待できるのは11月頃かと思いますが、12月に入ると釣果数は減るもののブリサイズの釣果が聞こえるようになります。
イワシ
ベストシーズン:10月
釣れる時期:4月~12月
大阪湾の波止釣りで釣れるイワシはごくごく一般的なマイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種類ですが、いずれのイワシもごちゃ混ぜで釣れる秋口をベストシーズンとしました。
カタクチイワシは春以降に接岸するようになりますが、サイズはバラバラなので、泳いでいるのが見えても釣れないケースも多いです。
夏のサビキ釣りでは豆アジ、豆サバ、小イワシが入り乱れるケースも多くなりますが、豆サバが混じるのは釣り人次第で良し悪しあります。
大阪湾でマイワシやウルメイワシで中羽サイズや大羽サイズの良型のイワシを釣るのであれば、11月以降の寒くなってからの方が良いかもしれません。
アコウ
ベストシーズン:9月
釣れる時期:6月~10月
ロックフィッシュの中で夏にピークを迎えるのはアコウだけです。
アコウは夏の終わり位の塩分濃度が高く、他の魚が釣れないような苦潮の時に、最も活性が上がる珍しい魚です。
昔は幻の魚などと言われていましたが、大阪府がアコウの稚魚を放流していることもあり、一部の地域では比較的釣りやすいターゲットになりました。
そうは言っても、アコウ狙いの釣り人そのものが少ない時期で、なおかつ日没からの半夜釣りがメインになる魚なので、ほとんど釣果情報には上がらないのが実情です。
サゴシ(サワラ)
ベストシーズン:11月
釣れる時期:6月~12月
大阪湾のサゴシは、ハマチとワンセットと考えて良いほど釣期も釣れる場所も一致しています。
ハマチと違って比較的50cm以上のクラスが早いうちから釣れ始めますが、秋や初冬になっても釣れるサイズは大きく変わりません。
サワラと呼べるようなクラス(一説には60cm以上とか70cm以上とか言われますが、個人的には少なくとも80cm以上にならないと味は大きく変わらないような気がします)は沖堤でないと釣るのが難しい魚です。
ヒラメ
ベストシーズン:11月
釣れる時期:7月~12月
春と秋の2シーズンに分かれるヒラメですが、大阪湾ではどちらかといえば秋の方が釣果は上がります。
過去に紀州釣りの外道としても何度か釣れたことがありますが、やはり夏の終わりから秋口にかけてだったと思います。
和歌山などと比べると、大阪湾では沖堤を除けば、狙って釣れる釣り場は決して多くはないのではないでしょうか。
マゴチ
ベストシーズン:10月
釣れる時期:4月~11月
ヒラメとセットで扱われることが多いマゴチですが、大阪湾では春の終わりと秋口に良く釣れますが、もっとも良く釣れる時期は10月です。
大阪だと泉南から南まで行かないと難しいターゲットですが、意外と南芦屋浜などでは釣果情報を良く見かけます。
かといって淀川河口で釣れるというのはほとんど聞かないので・・・管理人は専門に狙ったことがないので、正直良く分かりません。
サンバソウ
ベストシーズン:10月
釣れる時期:5月~11月
(波止釣りで釣った時の写真がなかったので、船釣りに出掛けた時の写真を使っています。)
イシダイの幼魚であるサンバソウは、サビキ釣りの外道として小物が掛かってくることがありますが、狙っても釣るのが難しい魚です。
船のイシダイとも磯のイシダイとも若干時期がずれる波止釣りのサンバソウは、10月頃が最も数・サイズともに期待できる時期となります。
そうはいっても良くて20cm程度までの釣果が大半ですが、まれに30cmを超える波止釣りでは良型と言えるサイズが釣れることがあります。
マハゼ
ベストシーズン:9月
釣れる時期:6月~11月
ハゼは普通に波止釣りをしていて時折外道で釣れるターゲットですが、晩夏から秋口にかけてはメインターゲットとして狙われることもある魚です。
どこでも釣れるという訳ではなく、河口での釣りがメインとなるため、波止釣りと言うイメージは少ないですが、秋の彼岸ハゼと呼ばれる時期には型も良く数釣りも見込めます。
冬の大阪湾で釣れる魚(12月、1月、2月)
大阪湾は冬でも比較的水温が高いので、釣れる魚がたくさんいます。
さすがに厳冬期の2月は厳しい釣りとなりますが、12月と1月なら対象魚次第ではボウズも十分避けられます。
冬は車が横付けできるポイントも空いているのですが、湾奥では水温が低く厳しい釣りになるので、なるべく水深のある釣り場に出掛けるのが良いでしょう。
ガシラ(カサゴ)
ベストシーズン:1月
釣れる時期:周年
ベストシーズンを単月として選ぶのに最も頭を悩ませたのは、管理人もよく釣りに出掛けるガシラ(カサゴ)です。
というのも冬のロックフィッシュとは言われていますが、ハッキリ言って一年中釣れるし、夏場は日中はサイズが小さいのが数釣れ、夜釣りではサイズの良いガシラも釣れます。
ここでは、寒い時期に平均サイズがアップするという点と、明らかに冬場の方が食味が上がるという点で、冬におすすめのターゲットに挙げます。
カレイ
ベストシーズン:12月
釣れる時期:10月~5月
冷水を好む冬の対象魚として扱われるカレイですが、実際は真冬の1月と2月は産卵時期となるので、明らかに釣り難しくなります。
晩秋から初冬の荒食いする時期と、初春からの戻りカレイ、その後の花見カレイの時期しか釣れないといっても過言でない魚です。
管理人がメインを投げ釣りとしていた30年ほど前には、シーズン中に釣果が出やすいのはもちろん、夏場でも木っ端カレイが良く釣れたのですが、沖堤を除けば大阪湾で釣果を出すのは年々難しくなっているような感じです。
アイナメ
ベストシーズン:1月
釣れる時期:10月~5月
冬のロックフィッシュの代表であるアイナメは、厳冬期に産卵に入るので、産卵前の釣期と、産卵後しばらく経って春を迎える頃に釣れる魚です。
冬場は他の対象魚が減ることと、大阪湾では投げ釣り以外にもエビ撒き釣りと言う最強釣法が可能なので、アイナメの釣果情報も多くなります。
なお、大阪湾では冬場以外の暖かい時期に釣れる場合は、ほとんどがクジメになります。
もう一点、水温が上がる4月、5月になると、アイナメの幼魚であるアブシンが釣れ始めるので、一部の釣り人さんにはこれも人気のターゲットとなっています。
サヨリ
ベストシーズン:11月
釣れる時期:8月~12月
夏ごろから接岸してくるサヨリですが、この時期のサヨリは15cm位の細長いエンピツサヨリと呼ばれる小物です。
サヨリが本格化してくるのは秋口からで、11月頃になると釣れる数は徐々に少なくなってきますが、25cmクラスの良型が釣れます。
サヨリは専用の仕掛けが必要ですが、この頃にはサヨリ釣りに勤しむ釣り人が多くなります。
12月に入ると日によって回遊にムラが出てきてボウズのリスクも高まりますが、30cmオーバーの閂(かんぬき)と呼ばれる価値あるサイズが釣れる可能性は上がります。
カワハギ
ベストシーズン:12月
釣れる時期:5月~12月
波止釣りで狙うカワハギは、良く釣れる時期と旬がまったく一致しない残念なターゲットです。
数釣るだけなら明らかに夏場の方が良く釣れるのですが、夏場のカワハギはサイズが手の平以下、もっといえば10cm程度のものが多く、お土産にするには忍びないサイズばかりです。
それゆえ良型も狙え、なおかつ旬に近い12月をベストシーズンとしましたが、1月に入って水温が下がると沖へ出てしまうので極端に釣りにくくなります。
沖堤を含め水深のある釣り場では旬の冬場でも狙えますが、冬に肝パンの良型のカワハギが釣れたら、価値ある一匹と言えるでしょう。
カンダイ(コブダイ)
ベストシーズン:1月
釣れる時期:10月~4月
波止釣りで最大級の引き味が魅力のカンダイ(コブダイ)は、旬である冬時期に狙われることが多いターゲットです。
強固なタックルを必要とするので玄人色が強く、専門のタックルを用意しておかないと釣り上げるのが難しい魚です。
他の釣りの外道として釣れることもありますが、この場合はイソベラと間違えるような30cmまでの小物が多いです。
ウミタナゴ
ベストシーズン:1月
釣れる時期:7月~4月
夏場や秋口場にサビキ釣りをしていて、外道として小さなウミタナゴが釣れることがありますが、ウミタナゴは完全に冬型の魚です。
冬に釣れるウミタナゴは25cmクラスのものも混じり、また旬が冬ということもあり、この時期なら良いお土産となります。
ウミタナゴは意外と警戒心の高い魚で、少し荒れた海の方が食いが良くなるので、冬の海環境でこそ釣りやすくなるという利点もあります。
イソベラ(ササノハベラ)
ベストシーズン:2月
釣れる時期:周年
イソベラはキュウセンと違って周年釣れますが、夏は小物が多く、冬に良型が釣れる特徴があります。
普段はエサ取りとして扱われる外道ですが。旬を迎える冬のイソベラは見も厚く、臭みもなくなるので良いお土産になります。
イソベラを専用に狙う人はいませんが、釣り物と釣果が少ない冬には、キープしておいても損はないでしょう。
その他、エサ取りとして釣れる魚、釣れると危険な魚
最後にエサ取りとして釣れる魚についても、簡単に紹介しておきましょう。
もちろん、エサ取りとして紹介する魚の中にも、時期やサイズによってはお土産になる魚もいるので、これを先に紹介します。
その後、エサ取りとしてほぼリリースされる魚について紹介します。
そして最後に、ヒレや内臓、棘などに毒を持つことから、釣れると危険な毒魚についても紹介しておきます。
特に初心者さんは毒魚に対する認識を深めてもらえると幸いです。
チャリコ
チャリコは真鯛の幼魚ですが、初夏から初冬くらいまでに良く釣れます。
底物釣りのエサ取りとして釣れ過ぎて鬱陶しい時もありますが、20cmを越えるチャリコが釣れると結構嬉しくなります。
メゴチ(ネズミゴチ)
メゴチはキス釣りの外道として春から夏に良く釣れる魚で、管理人はガッチョと呼んでいましたが、テンコチなどとも呼ばれています。
体表が粘液で覆われヌメリが強いのと、背中に棘もあるので釣って喜ぶ人は少ないと思いますが、きちんと処理すれば美味しく頂ける魚です。
ボラ
ボラは周年釣れる魚ですが、流入河川などの影響から臭みがある個体が多く、釣れても嬉しくないターゲットの一つです。
しかし、近くに河川がな水質の良い綺麗な海で釣れた大型のボラは臭みがなく、旬の冬場は脂ものっていて実は美味しい魚です。
ウリボウ
ウリボウはシマイサギの幼魚ですが、これがエサ取りとして湧いていると釣りにならない時があります。
これまでまずまずのサイズのウリボウを釣った経験もありますが、管理人自身は持ち帰った経験がない数少ない魚です。
スズメダイ(オセン)
夏に良く釣れるエサ取りの一種で、ウリボウ同様、オセンが湧いているうちは釣りになりません。
大きいものだと15cm位に達するものもいますが、骨は固くて多いので、初心者さんでも持ち帰るのはおすすめしません。
クサフグ
暖かい時期に良く釣れるエサ取りのクサフグは、内臓と皮にテトロドトキシンというフグ毒がありますので、釣れてもリリースするようにしましょう。
余談ですが、つい最近『ダッシュ村』のテレビ制作で、クサフグの画像を提供して欲しいという依頼を受け、上の写真を提供しました。
放映された映像には、ひっそりと『釣りのネタ帳』という文字が刻まれていました。
ハオコゼ
ハオコゼは浅場で釣れる体長10cm程度の魚で、ガシラと似ているので、初心者さんなどは間違える危険があります。
ハオコゼは周年よく釣れる毒魚で、毒の棘に刺されてしまうと、しばらくの間ジンジンと強烈な痛みが続くので気を付けて下さい。
管理人も子供の頃に刺された経験がありますが、万一刺された場合には、すぐに患部から毒を絞り出し、カップ麺用のお湯とかを持っていたら火傷しない程度に温め、その後冷やせば応急処置になります。
ハオコゼの毒なら緊急性は低いですが、いつまでもジンジンとした痛みが続くようなら、念の為に医者を受診することも考えましょう。
ゴンズイ
ゴンズイは体長10cm~20cm程度のナマズ目の海水魚で、基本的に夜行性の魚で、波止で夜釣りを行う人にとってはお馴染の魚です。
ただし、昼間でも海底の岩の下やテトラポットの隙間などに群れて潜んでおり、まれに釣れることがあります。
ゴンズイは背ビレや胸ビレに毒のある棘を持っており、刺されると半日~1日くらい激しく痛みます。
ハオコゼと同じように応急処置はきくので、痛みが緩和すればそのまま様子を見るか、翌朝に受診しても良いでしょう。
アカエイ
基本的にアカエイは、日本沿岸のどこにでもいるポピュラーな魚で、大阪湾でもいつ釣れてもおかしくない魚です。
アカエイは尾の中ほどに、数cmから10cmほどの長い棘が1本か2本近接して並んでおり、この長い鋸歯上の棘には毒腺があり、一度刺されると抜き辛く、激痛に襲われます。
知らない人であれば思わぬ大物が釣れたことでテンションが上がるかもしれませんが、決して不用意にアカエイには近づかず、踏みつけるなどの行為も危険なので止めて下さい。
アカエイの毒では死亡事故も発生しているので、万一刺されてしまったら、すぐに医者で受診するようにしましょう。
ウミケムシ
魚ではありませんが、毒魚の紹介ついでに、投げ釣りで嫌われ者のウミケムシを紹介しておきます。
身体の側部はビッシリと剛毛で覆われており、警戒心を与えると毛を逆立出せて威嚇してきます。
体毛とは言っても素手で触るとたくさんの毛が刺さる羽目になり、この一本一本に毒腺があるため、激しい痛みや痒みが出て、幹部が赤く腫れるような症状が出ます。
とにかく海釣りにおいて、自分が知らない怪しいものが釣れたら、素手で触るような行為は避けるようにしましょう。
以上、大阪湾の波止釣りで釣れる魚を40種類紹介しました。
大阪湾で今釣れる魚をお探しの方向けに、有用な情報が配信出来ていれば幸いです。
ただ、実は他にもカマスやシオ(カンパチの幼魚)、ウナギやエソ、ママカリにタケノコメバルなど10種類近くの魚が今頭に浮かんでいます。
他にも考えればいるのだろうと思いますが、正直なところ30種類を過ぎた時点で息切れし、今回は40種類に到達したら止めようと決めました。
他の魚はまた記事を更新する機会があれば、その時に加えようと思います。
しかしながら、スゴイですね大阪湾って・・・改めて考えてみるとこんなにたくさんの種類の魚が釣れるのです。
そして管理人自身がまだ釣ったことがない魚って、この40種の中ではアカエイだけなので、長く釣りを続けていると色んな魚に出会ってきたんだと改めて実感できました。
さて大阪湾で釣りを楽しむあなたも、これまでどのくらいの魚に巡り会ってきたのか、一度振り返ってみるのも良いのではないでしょうか。
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