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波止釣りで注意すべき毒棘がある危険な魚

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ハオコゼ

海には、毒の棘や鋭い歯を持ち安易に触ると危険な生物や、食べると食中毒や神経毒により死に至ることもある危険な生物などがたくさん存在しています。

とりわけ誰もが気軽に楽しめる海遊びや波止釣りにおいても、そういった危険のある生物に遭遇する機会は決して珍しいことではありません。

これは山遊びやキャンプでも同じことが言えるのですが、自分が遊ぶ範囲内で結構だと思うので、その遊びで遭遇することのある危険な生物については、出来るだけ事前に認識しておきたいものです。

そうでなければ、管理人の子供の頃と同じように、ろくな知識もなく始める海釣りでは、まず、ハオコゼの毒棘に刺されて痛い思いをする人が後を絶たないでしょう。

釣りの初心者さんに多くご覧頂いている当ブログでこそ、少しでもハオコゼの犠牲者を減らせるのではないかと思い、今回は、波止釣りで意図せずとも釣れてしまうことがある魚のうち、毒の棘を持つ魚について、その危険性や扱い方について紹介しようと思います。

 

目次

波止釣りで注意すべき毒棘がある危険な魚

波止釣りや磯釣りで、意図せずとも釣れてしまう魚のうち、とりわけ良く釣れる毒の棘を持つ魚は、【ハオコゼ】、【アイゴ(バリコ)】、【ゴンズイ】でしょう。

そして、投げ釣りで毒の棘を持つ対象としては、魚ではなくゴカイの仲間である【ウミケムシ】、更に、滅多にかかることはありませんが、掛かって取り込んでしまうとリスクの高い【アカエイ】がいます。

ここでは、この5匹について、順を追って紹介しておきます。

 

波止釣りでお馴染 いつもの外道ハオコゼ

ハオコゼ

ハオコゼ
(出典:ベラおっさん http://zukan.com/fish/leaf6817)

ハオコゼは波止釣りや磯釣り、投げ釣りを中心とした、浅場で釣れる体長10cm程度の魚で、干満などの時合に関係なく釣れてくる小魚です。

単にオコゼと呼ばれる場合も多く、本州以南の各地で釣れるので、海釣りを行っている方には釣った経験がある人の方が多いほど、お馴染の外道です。

体色は写真のように赤褐色のまだら模様ですが、保護色をなしているので、白っぽい個体や黒っぽい個体もいます。

ハオコゼは背ビレの棘に強烈な毒を持っており、刺されると激痛が走りますが、棘の刺さる深さによって痛みの強さや痛みが続く時間は変わります。

また、刺された後の対処次第で痛みは軽減できますので、刺された場合には、すぐに患部から毒を絞り出し、お風呂より少し高めの温度のお湯(50℃~60℃)で温めた後、冷やしましょう。

釣行時にカップ麺とお湯を持っていく人であれば、クーラーBOXの氷と合わせて早急な処置が可能なので、大事になることはないでしょう。

ただし、何もしなければ最悪は一日程度、ジンジンと痛みが続くことも覚悟しておかねばなりませんし、なかなか痛みが引いていかないようであれば、病院で受診した方が良いでしょう。

 

強烈な引きは魅力だが、見た目も強烈なアイゴ(バリコ)

アイゴ(バリコ)

アイゴ(バリコ)
(出典:外道はトモダチ http://zukan.com/fish/leaf47621)

アイゴは波止釣りや磯釣りで釣れる体長30cmほどの魚であり、写真で確認できるように体色は茶褐色の地に褐色の横縞が数本あり、全身に白っぽい斑点があります。

釣りの対象魚としては、非常に強い引きを楽しめる魚であるが、食用としての好みは完全に二分されるといっても過言ではありません。

というのは、内臓部分の強烈な磯臭さ(バリコの“バリ”は小便臭いの意)のせいであり、魚を捌く時に内臓に傷を入れてしまえば、その磯臭さがいとも容易く身に乗り移ってしまうからです。

その反面、処理をきちんと行えば、非常に引き締まった淡白な旨みのある魚で、皮や骨との分離も容易で食べやすく、管理人の住む近畿(特に紀州和歌山)ではこの魚を専門に狙う釣り人も少なくありません。

アイゴは背ビレ、腹ビレ、臀ビレ(しりビレ)に強烈な毒を持っていて、棘に刺さると数時間はかなりの激痛が走り、長ければ数日間程度刺された箇所の痺れが続く場合もあります。

万一、刺された場合は、ハオコゼの時と同じように、すぐに患部から毒を絞り出し、お風呂より少し高めの温度のお湯(50℃~60℃)で温めれば痛みは軽減します。

アイゴの棘条は太く鋭いため、油断するとすぐに刺さってしまうため、持って帰る場合ははさみで上下のヒレを全て切り落としておくようにしましょう。

 

 

夜釣りでゴツゴツ当たれば、またまたコイツ ヌルっとしたゴンズイ

ゴンズイ

ゴンズイ
(出典:暴走特急 http://zukan.com/fish/leaf41956)

ゴンズイは体長10cm~20cm程度のナマズ目の海水魚で、体色は茶褐色、基本的に夜行性の魚であることから、波止で夜釣りを行う人にとっては、お馴染の魚です。

ただし、昼間でも海底の岩の下やテトラポットの隙間などに群れて潜んでおり、採餌行動を取ることもあるため、まれに釣れることがあります。

ゴンズイは背ビレや胸ビレに毒のある棘を持っており、刺されると半日~1日くらい激しく痛みます。

刺された箇所が腫れて傷むのは勿論、肘や肩、関節の痛みなど全身症状にまで及ぶこともあり、吐き気や発熱、動悸や呼吸困難を伴う場合もありますので、症状が重く感じたらすぐに病院で受診した方が良いでしょう。

ただし、夜釣りということもあり、救急でないと受診できないケースがほとんどですので、一応の応急処置としては、これまでのハオコゼやアイゴの時と同じように、お風呂より少し高めの温度のお湯(50℃~60℃)で温めると痛みは軽減しますので、これで大丈夫そうなら翌朝受診しても良いでしょう。

特にゴンズイの背ビレの棘は長いので、棘が深く刺さった場合には、痛みはなくても化膿してくるケースもありますので、病院を受診しておくことをお勧めします。

 

なお、ハオコゼ、アイゴ、ゴンズイに共通して言えるのは、毒の種類がペプチド蛋白ですので、少しでも高い温度下にさらされると、毒が不活化して症状が改善に向かうというものです。

とはいっても、使うお湯が熱過ぎると火傷を併発し、症状が悪化することもありますので、それでお風呂より少し熱めのお湯を使うといったように表現されます。

お湯がすぐには手に入らない状況であれば、自販機などでホットドリンクを購入し、これを患部に当てるといったような方法でも効果は期待できますので、臨機応変に対応してもらえば良いかと思います。

 

投げ釣り嫌われ者No.1候補と名高いウミケムシ

ウミケムシ

ウミケムシ

次は魚類ではありませんが、同じように毒の棘を持つ生物として、ウミケムシの紹介になります。

ウミケムシは投げ釣りなどで掛かってくる、体長10cm程度までのゴカイと同じ多毛類の総称になります。

釣り針を外す際の扱いの難しさや、見た目の気持ち悪さから、投げ釣りでは連れて欲しくない獲物のNo.1候補に挙げられます。

身体の側部はビッシリと剛毛で覆われており、警戒心を与えると毛を逆立出せて威嚇してきます。

体毛とは言っても素手で触るたくさんの毛が刺さる羽目になり、この一本一本に毒腺があるため、激しい痛みや痒みが出て、幹部が赤く腫れるような症状が出ます。

大量に細かい毛が刺さることになるため、指やピンセットなどの使用では抜き辛く、セロテープや粘着テープなどを患部にそっと当てて、一度にたくさんの毛を除去していくというような方法が適切です。

毛を抜いた後は流水で洗い流し、痛みが続くようであれば病院を受診しましょう。

 

逃せば残念、取り込めても残念なアカエイ

アカエイ

アカエイ
(出典:波止研一 http://zukan.com/fish/leaf7024)

波止釣りに出掛けていると、たまにアカエイが遊泳しているのを見かけることがありますが、稀にこれがエサに食い付いて掛かってしまい、大慌てした経験がある方もいるかと思います。

アカエイは浅海の砂底や泥底に生息し、通常は投げ釣りで稀に釣れてくる体長1m程度の魚(尾を含めれば最大2mに達するものもいる)で、体色は背面が赤褐色、腹面は白色になっています。

管理人は釣った経験はありませんが、掛かると沖向きや左右への走りで船に引っ張られるような感覚と、海底に貼りついて根掛かりしたように動かなくなるといった感覚があり、その大物感からもアカエイであることが分かるようです。

基本的にアカエイは、日本沿岸のどこにでもいるポピュラーな魚なので、いつ釣れてもおかしくないのですが、アカエイはここで紹介する5種類の中では、場合によっては命の危険を伴う最も危険な獲物と言えます。

アカエイの背中の正中線付近には小さな棘が並び、細長い尾の方へと続いていますが、これらの棘には毒腺はありません。

近くで見ると尾の中ほどに、数cmから10cmほどの長い棘が1本か2本近接して並んでいるのが確認できますが、この長い鋸歯上の棘には毒腺があり、一度刺されると抜き辛く、激痛に襲われます。

重症化するケースも珍しくなく、血圧低下や呼吸障害、発熱等の全身症状が出たり、アレルギー体質の人がアナフィラキシーショックで命を落とすという事故も起こっています。

数週間も痛みが続くこともありますので、万一、この毒棘に刺されたら、まず毒を絞り出し、患部を水または湯で洗い流した後、早急に病院で治療を受けるようにしましょう。

先に紹介した4種類と違い、死亡事故も発生している毒であるため、症状の重い軽いに関わらず病院を受診することを強くお薦めします。

 

毒の棘を持つ魚が釣れた場合の扱い方

望むべくもなく、釣れてしまう毒棘を持った魚たちですが、毒棘を持った魚であるという認識を持っていれば、まず誤って刺されることはありません。

そして、釣れた後の対処も、キチンとした取り扱いをすれば、ほぼ刺されることはないと言えます。

ここでは、どのような点に気を付けて対処すれば良いかを、纏めておきましょう。

 

毒の棘を持つ魚は絶対に素手で触らない

まず第一に、当然のことですが、毒の棘を持つ魚が釣れた場合、素手で魚をつかんではいけません。

特に事故が一番起きやすいのは、釣った魚を針から外すときになります。

棘に触れなければ大丈夫と思っていても、相手は生きいるので針を外す際には暴れて抵抗するケースもあり、素手で触るにはリスクが大きすぎます。

メゴチバサミや魚バサミで魚をシッカリと挟みこんで固定し、プライヤー等の器具を用いて針を外すようにしましょう。

ベルモント(Belmont) MC-075 メゴチバサミ (L)

 

第一精工 ワニグリップミニMC+ホルスター

 

TAKAMIYA(タカミヤ) ステンレスアングラーズプライヤー ロングノーズタイプ ブルー

 

足で踏んで針を外すのは、危険な行為だと認識しておく

次に、管理人もよくやるのですが、足で踏んで針を外そうとする人がいますが、実はこの方法は結構な危険な行為です。

まず、裏地が薄くスポンジ系統の靴などの場合は、毒棘が突き抜けて刺さるケースがあります。

特に上記の中ではゴンズイの背びれの棘は非常に長く、ヌルっとした体表は滑りやすく、側面を踏みつけたつもりでも、背を上から踏んでしまっている場合があります。

夜に釣れるのが主体の魚ですので、暗い中での作業というのも危険が大きいでしょう。

そして、ハオコゼのように小さな魚は、足で踏むと身体のほとんどが見えなくなってしまい、棘の位置も踏みつけて見えない位置になりますので、注意が必要です。

更に、アカエイの尾はムチのようにしなやかに振り回され、身体も大きく力もありますので、胴体を足で踏んで外すのは安全な行為とは言えません。

危険な毒を持つ魚ですので、無理をせずハリスを切り落として、海へ返してしまうのが無難でしょう。

もし針を外して持ち帰ることを考えるのであれば、尻尾の中ほどより先を踏みつけて尻尾の根元からナイフで切り落とします。

いずれのケースにしても、針を飲み込んでいて外すのが困難な場合には、リスクを冒して無理して外そうとせずに、ハリスから切り落として放流してしまう方が無難です。

魚を手元に引き寄せる際にも注意を払う

釣った魚を手元に受け取る時、竿を立ててハリスの部分を掴むケースが多いと思いますが、この時勢い余って魚が身体の一部に当たってしまうことがあります。

風が強い時など、小型の魚であれば、風であおられて、うまくハリスを掴めずに、これまた体の一部に魚が触れてしまう時もあります。

実は管理人もハオコゼを釣った際に、意図せず太ももにハオコゼが当たり、運悪く棘が刺さって痛い思いをしたことがあります。

釣った魚が毒のある魚だと分かった時は、あまり手元や身体に近づけることなく、出来れば一旦地面に直接置くようにして、落ち着いてから処理をするようにしましょう。

あと、釣行時の基本ですが、暑い時期であっても、基本的には半そで、半ズボンは避けて、なるべく袖のあるシャツや長ズボンを着用するように心掛けましょう。

 

毒の棘を持つ魚はその辺に放置しない

もう一点、釣れた魚の処理ですが、持ち帰らない魚だからといって、波止や砂浜の上に放置したままにしてはいけません。

ここで紹介した生物たちは死んだ後でも、その毒の効力は残ります。

いつ誰がどんなカタチで、放置された魚の毒棘に刺さるといった事故が起こるか分かりません(子供が何もしらずに捨てられた魚を触るかもしれません)。

これは釣りのマナーの一つですので、毒を持つ魚に限ったことではありませんが、釣った魚は海に返してやるか、持ち帰るようにし、波止や砂浜に棄てないように心掛けましょう。

 

以上で、意図せずとも釣れてしまう毒棘を持った魚と、釣れた場合の対処についての紹介を終わります。

毒の棘に刺されるというのは、楽しい釣行のはずが、一転して苦い思い出に変わってしまう事故のようなものですので、そうならないためにも、最低限の知識は身に付けておきましょう。

 

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