竿受け(ロッドホルダー)は、磯釣りや船釣りにおいては、ごく一般的に使用されています。
それに比べるとファミリーフィッシングが多い波止釣りについては、竿受けの利用者の比率は低い方だと言えるでしょう。
ただ、波止釣りを行う人は磯釣りや船釣りに比べると絶対数が多いので、竿受けの利用者は実はかなり多く存在し、それゆえ波止向きの竿受けは多種多様な製品が販売されています。
かくいう管理人も、竿受けの便利さを知ってからは、釣行時につい忘れてしまった時などは、終日ブルーな気分になるほどです。
ここでは、波止釣りで竿受けを使用することの利便性(メリット)と、波止釣り向きの竿受けの種類(タイプ)について紹介します。
竿受け(ロッドホルダー)について
【竿受け】は、【竿掛け】や【竿掛け】、【ロッドホルダー(Rod Holder)】などと呼ばれることもあります。
釣りの便利グッズとして重宝されるため、釣り歴の長い人ほど、使用している人が多くなります。
上の写真のように、竿受けとは、釣り竿を置いて(掛けて)おくための道具です。
竿受けといえば、投げ釣りでの三脚のように、置き竿での釣りスタイルをイメージされる方が多いかもしれません。
ただ、決してそれだけの理由で使用する釣り道具ではなく、竿受けを使うのと使わないのとでは釣りの快適さに雲泥の差が生じます。
その辺りのことについては、次に紹介する竿受けを使用することのメリットをご確認頂ければ、ご理解頂けるかと思います。
波止釣りで竿受けを使うことによる利便性(メリット)
波止釣り(堤防釣り)では竿受けを使うことによって、多くのメリットが生まれます。
もちろん使う竿受けの種類や仕様によって、得られるメリットは多少異なりますが、ここでは代表的なものを紹介していきましょう。
釣り竿やリールに傷が付かない
釣り竿を波止に直置きしたり、テトラポッドに立てかけたりすると、当然釣り竿やリールがコンクリートと接触することになります。
いくら慎重に取り扱っても、仕掛けを引いてきてエサを付け替える度に、あるいは仕掛けを手直しする度に、岩面と接触させれば大事なロッドに細かい傷は増えるばかりです。
防波堤によっては、金属柵やポールが設置されている所もありますが、設置後の時間の経過とともに金属は錆びていきますので、場所によっては岩面に置くのと大差はありません。
安価な釣り竿やリールを使っているうちは、タックルに付く傷もそれほど気にならないでしょうが、高価なものになればなるほど長く大事に扱いたいという気持ちが強くなります。
竿受けを使うことで、タックルに傷が付くといった余計なことに気を配る必要はなくなります。
釣り糸(道糸やハリス)に傷が付かない
上記と同じような理由になりますが、釣り竿を波止に直置きしたり、テトラポッドや金属柵に立てかけたりすると、道糸(ライン)やハリスは接地面と擦れます。
防波堤そのものは、捨て石を組み上げて作られていたり、土台に捨て石や砂利石を敷き詰めたコンクリートを流し込んでいるので、表面は平坦ではなくザラザラした状態です。
また金属面も、錆(腐敗)により同じようにザラついています。
この状態で、エサを付けたり、仕掛けをいじったりしていると、釣り糸はザラザラ面上で引いたり引かれたりを繰り返し、気付けば釣り糸の表面は細かい傷が無数に付いた状態になります。
道糸に傷が付けば高切れのリスクが増え、ハリスに傷が付けば、急激なショックへの耐久力が弱くなります。
折角の大物も取り逃す結果になりかねず、当然仕掛けを失えばそれだけ時間やコストをロスすることになります。
竿受けを使うことで、釣り糸は中に浮き、釣り糸に傷を与えるような接触を避けることができます。
釣り糸(ライン)に傷を付けずに済むというのも、竿受けを使う大きなメリットの一つです。
エサ付けや仕掛けの手直しがスムーズになる
釣り竿を竿受けに掛けておくことで、両手が自由に使える状態になります。
もちろん、釣り竿を波止に直に置けば両手は空きますが、上述のように、タックルや釣り糸に傷を付けないということを考えれば、波止へロッドを直置きするのは避けたいものです。
竿を脇に抱えた状態で作業を行うことも可能ですが、エサ付け程度ならともかく、仕掛けの手直しや手を洗うといった作業は困難でしょう。
竿受けを使ったことがない人であれば、エサ付けの度に、竿受けへの竿の掛け・外しが面倒だと思う人もいるかもしれません。
しかし、そのような心配は皆無で、釣り竿を竿受けに掛けることや、竿受けから取り外すことに、時間や労力は必要ありません。
むしろ竿受けに竿を掛けて作業をすることで、作業はスムーズに行われ、手返しも早くなります。
釣り竿の長さをフルに活用できる
波止にロッドを直に置き竿をする場合、竿長の1/3~1/2程度のところまで波止の岩面に設置させる必要があり、竿の長さをフルに活かす(外へ出して設置する)ことはできません。
釣法によっては探れる範囲が変わり、釣り場によっては、波止際にある石畳などの障害物に糸が引っ掛かる恐れも強まります。
また、金属柵やポールが設置されている釣り場では、これに立てかけた場合、釣り竿は上を向き、釣り竿の長さをフルに活かせないだけでなく、垂れた糸が風でふける原因にもなります。
竿受けに釣り竿を掛けておけば、置き竿で使用しても、波止際で釣り竿を持って釣りをするのと同じように、釣り竿を前に張り出した状態で釣りができます。
竿受けを使うことで、釣り竿の長さをフルに活用できるとともに、トラブル防止にも繋がります。
竿受けを使用すれば、疲れは軽減、釣りをしながらの休憩も可能
長い時間、釣り竿を持って釣りを続けるには、それなりの体力が必要です。
置き竿をしなければ、アタリの無い時ほど、ただただ釣り竿を持って待つだけの時間も増え、手首や腕に掛かる負担も大きくなります。
そんな時でも竿受けに竿を掛けていれば、疲れることはありません。
あるいは、アタリの無い時はロッドを一旦引いて、休憩に入ることもあるでしょう。
休憩中でも竿を出していれば、ウキや穂先を眺めているだけ、すなわち置き竿状態で釣りを楽しめます。
食事やコーヒータイム、一服などの際も、竿受けを使えば釣りをしながらにして、いつでも自由に時間を取れます。
その他にも、竿受けの種類に応じたメリットが多くあります。
竿受けは自分の釣りのスタイルに合わせた種類(タイプ)を選ぶことが需要です。
それでは、波止釣りに向いた竿受けの種類を、確認してみましょう。
波止釣りで使う竿受け(ロッドホルダー)の種類(タイプ)
全般的に、波止釣りで使用される竿受けは、利便性を考慮し、ワンタッチや簡易設置が可能なものが多くラインナップされています。
竿受けの重要な要素に、釣り竿を掛けた状態での安定性の確保があり、堤防釣りではこの安定性が確保しやすいという利点があります。
磯釣りと違って足場の良いこと、船と違って揺れがないこと、また、ターゲットが中型までが大半で、タックルが比較的軽装なことが主な理由でしょう。
それゆえ、堤防釣りでは、磯場で使うような岩場にピトンを打ちこんで設置する竿受けは必要ありません。
それでは、波止釣りで手軽に使える竿受けを幾つか紹介します。
クーラー取り付けタイプ(1) - クーラー受三郎 –
まず始めに紹介するのは、第一精工(株式会社)の【クーラー受三郎】です。
【クーラー受三郎】
クーラー取付タイプで、あらかじめ粘着テープとビスでポールホルダーを固定しておき、そこへ竿受けポールを差し込むだけの簡単設置です。
45cm~68cmの間で高さ調節が可能で、好きな位置にセッティングできるエサ箱ホルダーが付いています(餌バッカンは別売りです)。
竿受部は首振りや角度調節が行え、竿尻部分は左右両側から竿を掛けることが可能です。
波止釣りで竿受けを使用されている方の定番商品で、土台がクーラーということでしっかりしており、釣り竿を掛けている際の安定感には対しては、高い評価があります。
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クーラー受三郎にも、仕様用途が拡がる人気の小継三段が、新たにラインナップされました(2016年12月7日)。
三段階になったことで、仕舞寸法が37cmとコンパクトになり、それでいて39cm~71cmと高さ調節の幅も拡がりました。
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クーラー取り付けタイプの竿受け(2) - 吸太郎 –
次に紹介するのは、第一精工(株式会社)の【吸太郎】です。
クーラー取付タイプの真空吸盤を用いた竿掛けで、最大荷重が30kgです。
好みの位置に取付けができるので、竿受け角度の調節は自由自在で、軽い釣り竿であれば2本を掛けることもできます。
取付後も竿尻を掛ける位置により、竿を上向き・下向きに出来ます。
超強力なダブル真空吸盤ですので、磯竿や投竿などに対しても、釣り方や対象魚に合わせた好みの位置に簡単に吸着できます。
吸盤仕様なので、クーラーに傷が付かないというメリットがありますが、使用後は水洗いによる塩抜きを行い、吸盤が劣化しないように保管する必要があります。
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バッカン取り付けタイプ(1) - バッカン受三郎 小継三段式 –
コチラは、第一精工(株式会社)の【バッカン受三郎 小継三段式】です。
【バッカン受三郎 小継三段式】
36cm~45cmのハードタイプかセミハードタイプのバッカンに取付可能で、バッカンのフチ部と底側面を挟んでネジで締めるだけで簡単に取付けできます。
ここでは波止釣り向きとして紹介しますが、上図のようにちょっとした磯の上物に対しても使用可能で、メーカーサイトでは磯カテゴリに商品分類されています。
肉厚・太径パイプの使用で安定度を向上させ、折りたためば40cmバッカンに収納できるコンパクト設計になっています。
46cm~95cmの間で高さ調節が可能で、好きな位置にセッティングできるエサ箱ホルダーが付いています。
竿受部は首振りや角度調節が行え、竿尻部分は左右両側から竿を掛けることが可能です。
参考
なお、この商品は冒頭の写真で紹介したものと同じで、管理人もお気に入りでよく使用しています。
人気の商品になりますので、セット方法や使用感なども含め、個別に詳しく紹介した記事も用意しています。
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バッカンの収容物が軽く(コマセが減って来た時など)ても転倒しないように、新たに転倒防止アームが設置された新商品が発売されました(2016年12月7日)。
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バッカン取り付けタイプ(2) - ロッドタッチハード –
コチラは、第一精工(株式会社)の【ロッドタッチハード】です。
ハードタイプあるいはセミハードタイプのバッカンに挟むだけで設置できる、簡易的な竿受けです。
素材はゴム製ですので、掛けた釣り竿を傷付けることはありません。
上図はハードタイプの商品ですが、通常のバッカンにもつかえるソフトタイプもあります。
ロッドタッチハードに釣り竿を掛けた場合の一例図です。
構造上、バッカンの中にリールが入ってしまうことと、釣り竿の上下左右の角度を調節することが出来ません。
価格は非常に安価ですが、使用用途が限定される竿受けです。
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防波堤に直置きするタイプ(1) - バンノー竿受け2号 –
コチラは、第一精工(株式会社)の【バンノー竿受け】です。
バンノー竿受けはスチール製の1号もありましたが、こちらは販売終了となりました。
上図はバンノー竿受け2号で、アルミ製の2本継になります。
足場の良い場所であれば、あらゆる場所で設置することが可能です。
上図では、どのような設計か分かりませんので、広げた状態のものを示します。
写真の中で、下に設置された方が、バンノー竿受け2号になります。
釣り場に合わせて思いのままに変化させられる万能型というのがウリで、写真の他にも3通りの設置方法が可能です。
また、折りたたみ可能なコンパクト設計で、実は密かに人気製品となっています。
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防波堤に直置きするタイプ(2) - サーフ三脚 レバー式DX2号 –
コチラは、第一精工(株式会社)の【サーフ三脚 レバー式DX2号】です。
三脚については、砂浜(サーフ)で投げ釣りをされる方が主に使われる竿受けの定番です。
複数本の竿を出し、置き竿が基本の投げ釣りでは、三脚は非常に利用価値の高いアイテムになります。
三脚ですので、設置状態のものも示しておきましょう。
この商品は脚の3本をシッカリとつなげており、非常に高い強度を誇ります。
ガタツキのない特許一体成形の蝶番を使用しており、安定性は従来商品の2倍にもなるとのことです。
三脚は高さや継ぎの数など、同じ製品でも種類がありますので、自分の釣りに合った商品を選ぶことが重要です。
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第一精工は竿受けでは信頼のブランドで、三脚でも非常に多くのラインナップが揃っていますが、同等製品をコンパクトで割安に販売しているTAKAMIYA(タカミヤ)の製品についても、ユーザーからの評価は高くてお勧めです。
いろいろ検討してみようと思う方はコチラからどうぞ
アオリイカのヤエンをする方には、以下のヤエン専用タイプなどもあります。
ダイワ(Daiwa) ロッドスタンド バトルゲーム・ヤエンスタンド ブルー
水平に近い状態で2本の竿が構えられる頑健性の高い製品で、アオリの走りに対してスムーズにドラグが出るような設計となっています。
もちろん、上下左右の調整も可能なので、ヤエン専用とは言っても普通の釣りにも使えます。
三脚の使い方の基本として、三脚の下に水を入れた水汲みバケツを掛けておくことで、非常に高い安定感が発揮されます。
管理人自身もヤエンをしますが違う竿掛けを使っており、たまにバトルゲームを使っているのを見かけると、利便性が良さそうで欲しくなります。
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波止のパイプに設置するタイプ(1) - スーパーパイプ受太郎W –
コチラは、第一精工(株式会社)の【スーパーパイプ受太郎W】です。
海釣り公園や防波堤に設置されているパイプへ、タテ付け・ヨコ付けに加え、垂直パイプへの取付をも可能にした商品で、取付自由度をアップさせています。
写真で確認出来るように、波形アームが搭載されており、ロッドを左右に立てかけることも可能で、エサ付けや取り込み時にロッドを立てかけることで、ロッドの横すべりを防ぎます。
収納時にはコンパクトに折りたたむことができます。
クランプには鏡面仕上げのパイプでも、滑りにくいノンスリップラバーが付いており、タテヨコ取付だけでなく、他の竿受けと同じように、首振りや角度調節も自由自在に行えます。
設置できる場所は限定されますが、多種多様な使い方ができる商品です。
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波止のパイプに設置するタイプ(2) - マイティーアーム –
コチラは、釣武者(ツリムシャ)の【マイティアーム】です。
先に紹介したスーパーパイプ受太郎に較べて、もっと細いパイプなどに設置する場合に有用な竿受けです。
マイティアームの設置状態
クーラーボックスの取っ手やレジャー椅子、手すりパイプやそしてテトラにある金属取っ手などにも取り付けられる万能タイプの竿受けです。
パイプ椅子やテトラで使用できる竿受けというのは珍しく、使い様によっては便利なアイデア商品と言えそうです。
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波止際の車止めに取り付けるタイプ - ロッドホルダー –
コチラは、ダイワ(DAIWA)の【ロッドホルダー ブラック210SP】です。
車などが侵入(横付け)できるような波止際には、大抵コンクリートの車止めが設置されています。
この製品は取付幅が20mm~210mm対応のワイドタイプで、車止めへの設置も念頭に置いて開発された製品です。
万力にはステンレス素材が採用され頑健性も高く、少々長いロッドでも十分安定して使用できます。
安価な製品は錆が来るのが早いですが、こちらは信頼のダイワブランドで、使用後に軽く水で流しておくだけで長く愛用できます。
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自分自身に取り付けるタイプ - ウエストホルダー –
コチラは、第一精工(株式会社)の【ウエストホルダー】です。
竿受けというイメージでは、一風変わった商品になります。
釣りをする際、立ち続けたり移動する渓流釣りや、海釣りなら足場の悪いテトラポッドの釣りでお薦めの商品です。
あまり重い釣り竿での使用には向きませんが、磯竿2号 5.4mまで対応できるような仕様になっています。
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以上、竿受けの代表的な商品について紹介しました。
竿受け(ロッドホルダー)には、値段の高いもの安い物がありますが、価格の割に利用者のメリットが大きく、非常にコストパフォーマンスが高い製品です。
釣り道具でも、とりわけお勧めできる便利グッズの一つです。
多くの釣り人にとって、竿受けは一度使い始めると、その便利さが故に、二度と手放せなくなると言っても過言ではありません。
竿受けを使用した経験がない方には、是非一度自分の釣りに合った竿受けを検討し、使用してみることをお薦めします。
きっと、あなたの釣りライフをより快適で充実したものへ向上させるのに、一役かってくれる相棒となってくれるでしょう。
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