仕掛け作りの基本的テクニックの一つに、8の字結び(エイトノット)と呼ばれる釣り糸の結び方があります。
エイトノットは主に、モトス(幹糸)にエダス(枝針)を出したり、ハリスにチチワを作る方法として使われます。
当サイトではいずれの結び方についても紹介済みですが、今回は後者のハリスチチワを作る際の便利グッズで、DAIWAの【速攻8の字結び】と呼ばれる釣り道具を使った結び方を紹介します。
胴突きの探り釣りや、投げ釣りでは枝針をたくさん用意しますが、手作業で行うと結構時間が掛かって大変な思いをします。
この速攻8の字結びがあれば、煩わしい作業から解放され、いとも簡単に安定したチチワサイズの枝針の量産が可能になります。
本記事では画像での紹介と合わせ、実演動画でも紹介していますので、宜しければご参考にどうぞ。
なお、便利グッズを使わずに手作業で行う場合のチチワの出し方については、以下の2つの記事を参考にどうぞ。
チチワ作りの便利グッズ【DAIWAの速攻8の字結び】
海釣りでは、持っていると役に立つ便利グッズがたくさんありますが、ここで紹介する【DAIWAの速攻8の字結び】は、仕掛け作りの便利グッズです。
その名の通り、エイトノットとも呼ばれる8の字結びが簡単に結べる釣り道具で、同じような機能を謳う釣具は他にもありますが、使い方の簡単さと扱い易さの点でいえば、ほぼこの製品の一択と言ってもよいでしょう。
まずは、この速攻8の字結びがどのような道具であるかのを示します。
速攻8の字結びの外観と特徴
まず、製品の外観ですが、以下のようなパッケージとなっています。
派手さのない素朴な感じの製品ですが、10年位前にはすでにあったので、結構昔から使われている製品です。
パッケージの裏面は製品の取扱説明書となっており、簡単な使い方が図示されています。
エイトノットを使ったチチワ結びについて知っている方なら、特に説明書なしでも使えると思います。
ただ、どちらかというと、この製品は普段からチチワ作りをする機会があって、手作業が面倒だなという方に向けた釣り道具ですね。
なのでチチワを使った仕掛けを自作していない方には、無用の長物かもしれませんが、一応ご存知ない方でも分かるように詳しく紹介しておこうと思います。
製品そのものはボールペンくらいの大きさで、片手の指先だけで操作できるようになっています。
機能は至って単純で、本体に付いているレバーを押し上げると、ステンレス製の筒の先から鉤爪が飛び出してきます。
レバーの抑える指を外すと、鉤爪はバネの力で勝手に筒の中に戻ります。
この鉤爪に糸を引っ掛けて使うのですが、実際にどのように使うのかを画像で紹介していきましょう。
速攻8の字結びを使ったハリスチチワの結び方
ハリスチチワの結びですが、まずは、端糸を折り返します。
手で結ぶ場合は、10cm程度と少し長めにとる方が結びやすいのですが、この便利グッズを使えば5cm程度でも十分結べます。
折り返した部分の中ほどのところで輪を作ってやり、交点部分を親指と人差し指で押さえます。
図で言うと、右の輪が折り返しの端の部分で、上に出た輪が新たに作ってやる輪です。
次に、作った輪の中へ、速攻8の字結びの先(筒の部分)を差し込んでやります。
速攻8の字結びをクルクルと2回か3回、回転させてやります。
これは作った輪にネジレを与えるのが目的です。
エイトノットのチチワでは、最小が1回、最大で5回程度までのネジレで結ぶことができます。
回数を増やす方が結束強度は上がりますが、指でやるとラインの張りに負けて複数回のネジレを与えるのに苦労します。
この道具を使ってやると、労力なしで複数回のネジレを入れることが可能です。
捻り終えたら、ここでレバーを押して鉤爪を出します。
そのまま折り返しの中間部分アタリへ鉤爪を引っ掛けて、レバーを押す指を外します。
そうすると、鉤爪は糸を引っ掛けたままの状態で筒の中に戻ります。
輪の中へ差し込んでいた筒を引き抜きます。
当然、鉤爪に引っ掛けられたままの糸も一緒に輪の中を通ることになります。
引き抜いたままゆっくりと引っ張っていくと、結び目が締まっていきます。
ヒネリの回数にもよりますが、途中、上図のように8の字結び(エイトノット)の由来となっている8の字が確認できます。
結び目がある程度締まる所まで引っ張ります。
まだ完全に締まっていないのですが、鉤爪はバネの力で筒の中へ戻っているだけなので、これ以上は力を入れて引っ張れません。
出来たチチワへ、筒(軸)を通して引っ張ってやれば良いと思います。
完全に締め込んで、端糸をカットすればハリスチチワに完成です。
なお、上図では分かりやすいように少し大き目のチチワを作って紹介しています。
結びの調整次第で、もちろん好きな大きさのチチワに結ぶことも可能です。
3重ヒネリで、小さめのチチワも結んでみました。
1重ヒネリだと最終段階で完全に締め込むまでは、チチワの大きさを調整できますが、複数回のヒネリの場合は途中での調整は出来ません。
ただ、速攻8の字結びを使うと、始めに作る輪の大きさ次第で、出来上がるチチワの大きさをコントロールできます。
結束に安心のできる複数回のヒネリでチチワの大きさを自由にコントロールできるというのも大きなメリットです。
針結び器のメリットとデメリットのまとめ
速攻8の字結びのメリットとデメリットについて、簡単に紹介しておきます。
【メリット】
- 簡単で早く結べる
- チチワの大きさの調整もできる
- 複数ネジレで結束強度も上がる
- エイトノット以外の使い方もできる
- ずっと使えるので、コスパが高い
とにかく簡単で速く結べるので、チチワを使った投げ釣りや探り釣り仕掛けの量産が楽に行えます。
複数ネジレを入れた結び方でも、チチワの大きさ調整が容易なので、仕掛けの完成度は確実に上がります。
チチワ仕掛けを多用する方にとっては、一度使い始めると手放せなくなる便利グッズになります。
その他、モトスチチワを作る時や、仕掛けのモツレを解消する時などにも使えます。
現場で仕掛けを作る場合、特に冬場などは指かかじかんで、仕掛けを作るのも苦労しますが、こんなときでも役に立ってくれます。
一度購入すれば、ずっと長く使える釣具なので、長い目で見ると非常にコスパの高い便利グッズです。
【デメリット】
- 単純な器具だが、2,000円弱と意外に高い
- 海に落としてしまうとアウト
いずれも当たり前のことであり、デメリットと呼べるようなことでもないですね。
ちなみにペン差しも付いているので、海に落とすリスクも少ないです。
無茶な使い方をしない限り、壊れるような道具でもないので、初期投資以外のデメリットは無いと言えるかもしれません。
DAIWA 速攻8の字結びを使ったチチワ結びの実演
動画では手で結ぶ方法との違いを交えながら、それなりに詳しく紹介しています。
この製品にご興味がある方は、是非ともご覧下さい。
【モトスチチワ】を結ぶのにも使ってみると役に立ちました。
DAIWA 速攻8の字結びの製品紹介
上記で紹介してきた、管理人が使用している速攻8の字結びはMタイプです。
推奨糸は0.3号~2号程度となっていますが、実際には6号程度のラインでも使用できます(動画中でも実演紹介しました)。
Sタイプもありますが、こちらは0.08号~0.6号と細糸対応になっており、アユやヘラなど淡水の繊細仕掛け向きだと言えます。
海釣りで使用するなら、Mタイプがお勧めですが、以下に2つのタイプを紹介します。
以上でDAIWAの速攻8の字結びを使ったハリスチチワの結び方の紹介を終わります。
本製品は万人向けのものではなく、どちらかというと一部の方向けのマイナーな釣具ですが、使う人にとっては強力なサポートアイテムです。
チチワ仕掛け作りで苦労されている方は、一度検討されてみてはいかがでしょうか。
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