現在の釣り竿の主流は、ほとんどの釣り人が使用しているであろうカーボンロッドです。
チヌ用カーボンロッドの最高峰
【銀狼王芽 AGS】
出典:DAIWA:http://www.daiwa.com/jp/
一昔前の主流はグラスロッドでしたが、カーボンロッドの登場と普及により、グラスロッドの中でも高価なものは市場から徐々に消え、一時期グラスロッドは一部の安価な汎用の釣り竿のみが生き残る状況になりました。
その後、カーボンロッドでも十分に安価で入手し易い価格で販売されるようになりましたので、カーボンロッドが使用される更に比率が上がったのは必然と言えます。
ただし、グラスロッドにも良い特性は多々あり、製造技術の向上も助け、一部の限られた釣りでは今でもグラスロッドを主として使用されている方がいます。
これを書き始めるとタイトルとは内容がずれて、また長い記事になってしまいますので、この辺りのことは別に機会があれば書こうと思います。
カーボンロッドの特徴
カーボンロッドの取り扱い時の注意点を紹介する前に、まずはカーボンロッドの特徴について示しておきましょう。
カーボンロッドはその名の通り、カーボン繊維を編みこんだロッドです。
その特徴を一言で示せば、【軽量で非常に感度が良く、弾性率に富んだ釣り竿】ということになります。
使用されるカーボンの弾性グレードや、炭素繊維の編み込み、補強シートの巻き上げなどの製法過程で、低弾性カーボン、中弾性カーボン、高弾性カーボンと分けられます。
出典:DAIWA:http://www.daiwa.com/jp/
低弾性カーボンは、少し重くなりますが、粘りがあり良く曲がります。
逆に、高弾性カーボンほど軽くなり、反発力も強いので感度が良いのですが、その分折れやすくなるというデメリットもあります。
釣り竿の調子についても、カーボン繊維の組み合わせで調整されています。
一言にカーボンロッドと言っても、カーボンの特性を組み合わせて、ターゲットと用途に応じた様々な性能の釣り竿に仕上げられています。
いずれもその軽さを実現するために、非常に肉薄構造になっており、横からの衝撃にはことのほか弱いという特徴もあります。
また、カーボンそのものは導電性が高い素材になります。
すなわち、カーボンロッドは電気を通しやすいので、ロッドを取り扱う上では、その辺りにも注意を払う必要があります。
以上の様なことを踏まえて、具体的にどのようなことに気を付ければ良いのかを紹介しておきましょう。
カーボンロッドを取り扱う上で注意すべきこと
先に述べたように、カーボンロッドは年々、軽量化、高弾性化されていますが、その特徴を理解して使用しなければ、取り扱いのミスで、思わぬ破損を招くことがあります。
まずは、釣り竿の破損という点に目を向けてみましょう。
カーボンロッドを破損させない為に気を付けること
1.高弾性カーボンは弛緩した状態からの急激な負荷に弱い
高弾性カーボンほど硬く薄いことから、割れ易いという短所が有ります。
釣り竿がまっすぐな状態から、急激に曲げるような強い負荷を与えたり、限界点迄の曲げを行うと簡単に折れる場合があります。
根掛かりでは、無理に急なしゃくり上げをしないようにしましょう。
2.カーボンロッドは肉薄ゆえに衝撃に弱い
カーボンロッドはその軽さ故に肉薄構造であり、ロッドそのものへの横からの衝撃には弱い側面があります。
表面の軽い擦れ程度なら折れることはありませんが、それでも少しの傷が原因でロッドが折れてしまうことがあり、「なぜ折れたのか分からない?」という経験をされた方も多いのではないでしょうか。
物理的な衝撃でロッドに傷が付く原因は多々あります。
・車への積み込み、持ち運び時にケースなしでぶつける
・竿を投げだしたりして乱暴に扱う
・立て掛けてあったロッドが倒れてしまった
・置き竿をする時に、ロッドの一部を支点にしている
・ロッドの表面への塩分の付着した状態で接触
いくつか例を挙げましたが、いずれも日常からロッドを大事に扱い、釣行後のメンテナンスも行っていれば避けられることです。
それでも知らず知らずのうちに傷が付くことはありますので、ロッドの傷については普段から意識しておきたいものです。
3.魚を掛けて近くまで寄せてきたときに、竿を立て過ぎない
これはカーボンロッドに限ったことではありませんが、魚を掛けて寄せて来るまでは竿を立てても竿のしなりが十分発揮されますが、目の前まで来た時に竿を立て過ぎると『逆しの字』形になり、ティップ(ロッドの先端部分)やベリー部(ロッドの中間部分)のしなりが損なわれます。
これは、竿を破損させる主な原因の一つになりますので、竿は立て過ぎないように注意しましょう。
次に、カーボンロッド使用時の安全面についても触れておきましょう。
カーボンロッドを安全に使うために気を付けること
1.雷が近づいて来たら、竿には触らない
カーボンは電気伝導性の高い物質なので、雷が落ちる可能性があります。
特に雷は周囲の中で、より高い場所に落ちる可能性が高いので、周囲に高い建物がない状態で竿を立てると、雷が直撃する可能性はより高くなります。
また、雷雲が近づくだけで空気中の電子がロッドに集まり、手に静電気が走ることもあると言われていますので、雷が近づいてきたら釣り竿には決して触れないようにし、余裕があれば一旦しまうのが無難です。
2.電車の高架がある場所で竿を扱わない
上記の項と同じ理由ですが、近くに電車の高架がある場所では実際に感電事故が発生しています。
雷の時と同じように、高圧線等へは近づくだけでも感電する恐れがあり、場合によっては死亡事故にもつながりますますので、念のため、周囲の状況は把握した上で竿を出すように心掛けましょう。
3.カーボンロッドが折れた箇所には注意を払う
カーボンロッドはその特性上、折れたところ(折れ口)がささくれ立つことがよくあります。
ささくれ立ったカーボン繊維を不用意に触ると、樹木の薄いトゲが刺さるような感じで皮膚に刺さることがあります。
更に刺さった部分が根元から折れてしまい、皮膚の内部に残って思わぬ怪我をすることもありますのでご注意ください。
以上がカーボンロッドを使用する際の注意点になります。
カーボンロッドは扱い方を間違えなければ、安心安全で快適な釣りを提供してくれる、釣り人にとっては無くてはならない最高の釣り道具です。
カーボンロッドに限ったことではありませんが、日頃から釣り竿の傷には注意を払い、長く愛用するようにしましょう。
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