初めてカストキング(Kastking)のリールを一つ二つ、目にするようになったのは、つい一年前(2016年の終わり頃)のことです。
今では多種類のスピニングリールやベイトリールを始め、消耗品であるラインや、釣りの便利アイテムであるフィッシングプライヤー、偏光グラスなど、商品のラインナップは徐々に増えつつあります。
「ん?カストキングって何?釣具メーカー??」
商品はアマゾン(Amazon)などの大手ECサイト内でのみ販売されているので、カストキングそのものを知らない人も多いことだろうと思います。
実はこういった認知度の低い海外メーカーの製品が、そのコストパフォーマンスの高さで、国内の釣具メーカーを脅かしつつあります。
ここでは、管理人自身がカストキングのベイトリールを使用することで実感したことを、率直に紹介します。
カストキングのベイトリールはコスパモンスター!!
まず始めに、カストキング(Kastking)を一言で紹介すると、アメリカに本社を置く釣具メーカーで、主にリールやラインなどを販売している会社です。
アメリカ最大というか、世界最大と言っても良いフィッシングショーである、ICAST(International Convention of Allied Sportfishing Trade:スポーツフィッシングトレードショー)でアワードを受賞したこともある実績あるブランドです。

ICAST(世界最大のフィッシングショー)
これを知った時点で、アマゾンで商品を見た際に、その商品の触れ込みを素直に信じても良かったのでしょうが、どうにも信じられなかったのは、謳っている商品の性能に見合わない商品価格、すなわち『安すぎる!』と感じたことです。
ただ、アマゾンで実際に製品を購入した人々のレビューは、総じて悪くない。
それなら一度試してみるかと思い、購入したのが今回ここで紹介するベイトリールの【Royale Legend】(日本語ならロワイヤルレジェンドとかローヤルレジェンドといった表記)です。
ベイトリール【Royale Legend】

カストキング【Royale Legend】
管理人がカストキングのベイトリールを購入することになったのは2017年6月、今から半年以上前のことですが、この頃には既に4種類ほどのベイトリールが販売されていました。
価格帯は4,000円~6,000円程度と総じて安く、その中から最も標準的な上図のRoyale Legendを入手しました。
標準的といっても、そのスペックには驚かされるものがあります。
- 自重:213g
- ギア比:7.0:1
- 最大ドラグ:8Kg(4層カーボンドラグ)
- 7個のマグネットブレーキ+4ピン軸抵抗ブレーキ
- 最大巻上長:80cm
- 糸巻量:0.26mm/180m、0.30mm/110m
- ハンドル長:95mm、EVA製ノブ
- ベアリング:ボール11個/ローラー1個
ベアリングだけでもコストはどうなっているのか疑問なのに、ドラグ力の高さやデュアルブレーキシステムの導入など、にわかには信じ難い性能で、どこか半信半疑の気まぐれで購入したリールでした。
ただ、見た目もカッコいいので、最悪キャスティングの必要のない釣りにでも使えば良いかという、余裕の持てる価格設定だったのが、やはり決め手だったと言えます。
外観も使い方も通常のベイトリールと変わりませんが、このリールには説明書が付属されておらず、これには驚かされました(分解図は同梱されています)。
初めてのベイトリールをお探しの方にも、ご覧頂いているかもしれないので、もう少し詳しく外観を示して、ごくごく簡単な説明も加えておきましょう。

ドラグ調整ノブ
Royale Legendには右巻きと左巻きがありますが、管理人が入手したものは左巻きの製品です。
ですので、左ハンドルの根元に、ドラグを調整するためのノブがあります。
最大ドラグ力8kgを謳った製品ですが、同じ価格帯の国産リールでここまで強力なものはないように思います。
管理人がこのリールを購入するに至った決め手の一つは、このドラグ力にあります。

メカニカルブレーキ
ハンドルの根元付近にメカニカルブレーキがあり、メカニカルブレーキのつまみの内部にはパッキンが入っています。
つまみを回すことで、パッキンのスプール軸を押さえつける力をコントロールして、スプールの回転を調整します。
このベイトリールを扱う上で、10g以下の軽い負荷でキャスティングを行う場合には、メカニカルブレーキの調整が非常に重要になります。

マグネットブレーキ
ハンドルと反対側には、マグネットブレーキの強さを調整するダイアルがあります。
0~9までの目盛りがありますが、目盛り間も3段階くらいの調整が可能なので、30段階くらいの細かい調整が可能です。
ただ、このマグネットの強さが弱いという意見も多いようで、内蔵された「5mm×2mm」のネオジウム磁石を、「5mm×3mm」に変えてもスプールに干渉せずに、ブレーキの効きを良くすることが可能との報告もあるようです。
管理人の使用用途では、特にバックラッシュに悩まされることもなかったので、カスタマイズは行っていません。

スプールの取り外し
次はスプールを取り外してみます。
このあたりは、ベイトリールの未経験者だと、説明書が付属していないと迷うところかもしれませんね。
①人差し指でpull&turnのつまみを手前側へ引き、②親指でリールの下側へグッと押し込めば、カバーが回転して外れます。

カバー内の構造
左から順に、カバー裏、スプール、スプールを抜いた本体です。
まず、カバー裏ですが、こちらは7つのマグネットが埋め込まれており、先ほど紹介したマグネットブレーキの調整ダイアルを回すことで、このマグネットとスプールの距離が近づいたり遠ざかったりして、ブレーキの強弱が調整されるというものです。
更にスプール軸を通す空間の周りに設置された4つのオレンジのポチが、遠心ブレーキを有効化するスイッチです。
このスイッチを内側へずらすことにより、空間にスプール軸への干渉物が出て来て、スプールの回転に合わせた遠心ブレーキが掛かります。
納品時設定では遠心ブレーキはOFFになっているので、遠心ブレーキも作動させたい場合は、ONにするのを忘れないようにしましょう。
このように、デュアルブレーキシステムになっており、十分な宣伝文句の一つになるはずなのですが、如何せん説明書がついていないので、知らないで遠心ブレーキなしで苦労して使っている人も多いのではないかと思います。
あと、真ん中のスプールと右のリール本体の様子は、錆の発生を含めた耐久性を確認するために、載せています。
このリールは購入から半年以上が経過しており、この間、海釣りの実釣で5回使用しました。
耐久性を試してみたかったので、敢えてリールのメンテナンスは行わず、釣行後の水洗いだけに留めました。
一瞬スプール軸の先に錆びのようなものが見えたので、やはりメンテナンスなしではキツイかと思いましたが、ただの汚れでふき取ればキレイに取れ、改めてグリスアップしておきました。
ネジやワッシャも含めて、錆は発生していないようで、一応バス用リールと言う建前はありますが、販売者が応えているようにソルトフィッシングでの使用も全く問題がないようです。

Royale Legendの外観
Royale Legendの外観は上図の様な感じです。
自重213gですが、国産リールの同等スペック品に比べれば、少しコンパクトな感じがします。
糸巻き量は、0.28mmを巻いた時に、100mも巻けなかったので、2割程度少なめに見積もっておいた方が懸命のようです。
使用実績は、タコエギのオクトパッシング、タチウオのワインド、ロックフィッシュの際釣りや穴釣り、イシダイの船釣りで、置き竿もしましたが、今のところ目立った傷などは付いていません。

タコエギのオクトパッシングで使用
先にも書きましたが、リール購入の決め手の一つ最大ドラグ性能8kgとリールの強度の確認については、オクトパッシングもさることながら、イシダイの船釣りで、その性能を如何なく発揮しました。

イシダイの船釣りで使用
ハイギア寄りの製品という点もあり、40mの水深での使用でも快適に使用できました。
40cmオーバーをイシダイを、ドラグのガチ締め状態でガタツキもなく、難なく取り込めたことで、このリールに対する信頼度は確固たるものになりました。
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その他、キャスティング性能には、正直あまり期待していませんでしたが、ワインドでは3/8onz(約10g)でバックラッシュなしに順調に使えました。
多少ブレーキを強めに掛けて使っていたので、遠投性能については未知ですが、メカニカルブレーキをしっかりコントロールすれば、使い勝手は悪くありません。
ただし、5gから使用できるという売り文句は、3種類のブレーキを完璧に調整できないと難しいという印象で、キャスティングとサミングも含めて相当なテクニックが必要になるのは間違いないでしょう。
ここまで、リールの性能という観点から、様々な紹介を行いましたが、ほとんどマイナスの点がありません。
もちろん、国内メーカーのリールで最低10,000円からという製品を相手にしたら、劣る点はいくらでも出てくるでしょう。
ただ、コストパフォーマンスという点に着目すれば、国内メーカーのリールに勝るとも劣らない製品であることは間違いなさそうです。
その安さ故に、管理のように釣りのジャンルやリールへの負荷を問わず、様々な釣りに使えるというメリットもありそうです。
海外メーカーのタックル製品は、今や珍しいものでは無くなりました。
ただ、今回紹介したようなコスパモンスターが、どんどんと日本市場に進出している現在、国内メーカーにも新たなコスト改革が必要となるのではないでしょうか。
カストキングのベイトリールの紹介
現時点(2018年1月現在)で販売されているカストキングのベイトリールは、以下のラインナップとなっています。
【追記】(以下、茶文字)
カストキングのリールは国内に導入され始めた2017年頃は、大規模な拡販目的もあってか、非常にコスパの高い安価な値段で販売されていました。
ただ、現在(2020年11月)では、スペックに見合った価格になっています。
モデルチェンジなどで品薄の製品については逆に高価な値段が設定されているものもあるのでご注意下さい。
カストキング(KastKing) Royale Legend
上記で紹介した製品です。
Loyale Legendはラインナップの中では一番安価な製品ですが、以下で紹介する製品も性能、価格ともに大差はありません。
リールランクの違いというよりも、各種の性能の中から、どの点に比重を傾けるかといったラインナップになっています。
そういう意味では、冒頭に書いたように、Royale Legend(ローヤルレジェンド)は標準的な仕様の製品だと言えるでしょう。
Royale Legendは本記事での紹介後、オクトパッシングと約70m水深域でのタイラバを中心に更に3年使用しましたが、未だ故障無しで現役です。
さすがにハンドルにガタツキが出てきましたが、ハードな使用環境でここまでもつとは正直思っておらず、頑健性も期待以上でした。
なお、Royale Legend(ローヤルレジェンド)は、以下のRoyale Legend Ⅱにモデルチェンジされたものが販売され引き続き高い評価を得ています。
KastKing(カストキング) Royale Legend II
基本性能は変わっていませんが、ギア比7.2:1モデルの追加と、頑健性は更に向上されていそうですね。
本拠地のアメリカでの販売が中心なので、まだ国内で使用している人は少なそうです。
Spartacus(スパルタクス)はギア比6.3:1のノーマルタイプで、デュアルブレーキシステムが、マグネットブレーキ5個+遠心ブレーキ6ピンの構造になっています。
ボールベアリングが11個、シールド付ベアリング1個、それにセラミックス製ラインガイドシステムの導入で、幅広いルアーフィッシング向きの仕上げになっている感じがします。
Stealth(ステルス)は、性能そのものはLoyale Legendとほぼ同等です。
違いはカーボンボディを採用している点で、自重が175gとラインナップの中では圧倒的に軽い仕上がりとなっています。
長時間釣行のハードユーザーや女性などには、この軽さは非常に魅力的なスペックだと思います。
KastKing Speed Demon Pro ベイトキャスティングリール
Speed Demon(スピードデーモン)はその名の通り、ギア比9.3:1、巻上げ長90cmを誇るハイギア製品で、115mmのロングハンドル採用によって、少ない力で高速巻き取りが可能です。
従来のモデルは大型真鍮製メインギヤが必要なため、ラインナップの中では最も重い236gでしたが、現Proモデルではカーボンファイバーメインフレーム採用で185gと大幅な軽量化を実現し、ドラグ力は6kgを維持しています。
高速巻き取りを実現することに注力した、ハイギア特化製品だと言えるでしょう。
現在カストキング製の唯一の両軸リールが、このRover50(ローバー50)です。
ベイトリールの紹介と趣旨がずれるので、紹介するかどうか迷いましたが、船釣りの件が出てきたのと、このリールもなかなかの好評価を得ているようですので、一応記載だけはしておくようにしました。
カストキングのベイトリール【Royale Legend】については、動画紹介も行っていますので、是非ともご覧下さい。
以上、カストキング製のリールで、現在日本国内で販売されているものを紹介しました。
いずれのベイトリールも、外観・名称ともにセンスも良く、使用者の評価に違わぬコスパモンスターであろうと思います。
新しいベイトリールをお探しの方は、一度カストキングのリールも検討対象に加えてみてはいかがでしょうか。
カストキングの製品はここで紹介したベイトリール以外にも色々と販売されています。
現在の取り扱いラインナップを一括でご確認される方は、以下のサイト情報をどうぞ