晩秋から初冬にかけての堤防釣り(波止釣り)で、人気を集める釣魚にカワハギがいます。
カワハギと言えば胴突き仕掛けですが、完成仕掛けとして販売されている胴突き仕掛けのほとんどは、モトス(幹糸)にエダスが直結されたもので、絡みのトラブルも多く正直使えません。
このタイプの仕掛けは安いので一見メリットがあるように感じますが、糸撚れも強く付くので、実際は使い切りが必須の仕掛けと言えるでしょう。
それに比べて8の字結び(エイトノット)だけでTノットのようにエダスを出せる回転ビーズや、ハリス止めが付いたビーズが組み込まれた製品は、トラブルレスで扱いやすく再利用も可能でメリットが多い仕掛けです。
ただし、この回転ビーズが組み込まれた完成仕掛け製品は2セットで1,000円くらいし、かなり高価だというデメリットがあります。
じゃあ回転ビーズを使った仕掛けを自作すれば良いじゃないかということになりますが、結構面倒くさいので管理人もあまり使わないというのが正直なところです。
ところが、昨年の12月に出掛けたカワハギ釣りでは、カワハギシーズンということもあってか、事前にビーズを使ったシマノやダイワのカワハギ仕掛けが売り切れで入手できませんでした。
そこで回転ビーズを使った自作の仕掛けを事前に用意したのですが、使ってみるとやはりこれが扱いやすくて爆釣し、作るのが面倒でもこれに勝るものはないなと再認識するに至りました。
昼前からの3時間ほどの堤防釣りで、40匹オーバーのカワハギ釣果だった釣行記録はコチラです。
この釣りで使った仕掛けは特に奇を衒ったものではなく、ごくごく一般的な五目釣りにも使えるビーズ仕掛けでした。
今回は、この何の工夫もなく、それでいて最強と言えるほど扱いやすい、回転ビーズを使った仕掛けの作り方やメリットについて紹介します。
堤防釣りでは回転ビーズを使った自作のカワハギ仕掛けが最強
ずいぶん前に防波堤でのサイズの小さなカワハギ釣り使える最強仕掛けと釣り方についての記事と、その仕掛けの作り方を紹介した動画を紹介しました。
先日その動画の方に初心者さんから問い合わせをいただいたのですが、そこで使用していたマイナーなサルカン付きビーズは、すでに販売が終了していました。
そこで今回改めて、今後も販売がなくなることはないであろう、メジャーな回転ビーズを使った自作の胴突き仕掛けについて紹介しておこうと思います。
釣り針の種類を替えれば波止の際釣りで、カワハギに限らずメバルやガシラなどのロックフィッシュをはじめ、様々な魚種の五目釣りに使える仕掛けなので、ご存じない方は是非ともご参考にどうぞ。
堤防釣りでおすすめのカワハギ釣りタックル
仕掛けの紹介の前に、前述の釣りで使用したロッドとリール、道糸のタックルを一通り紹介しておきます。
カワハギはエサ取り名人との異名を持つほどエサを取るのがうまい魚で、水深がある船釣りがメインとなるターゲットゆえ、高価な先調子の専用ロッドやベイトリールが販売されています。
しかしながら堤防釣りでは、そんな高価なロッドやリールは必要なく、安物のタックルで十分に満足のいく釣果を出すことが出来ます。
ここでは、簡単にしか紹介しませんので、もしカワハギの習性をはじめ、タックル、エサ、仕掛け、釣り方のコツなど、まとめて詳しく知りたい方は後ほど以前に紹介した以下の記事をご覧ください。
ロッド(釣竿)
ロッドは固めの先調子が必須で、際釣りベースなので管理人が愛用している1,000円台で用意できる1.3mの穴釣り竿を使用しています。
カワハギ相手では感度の良さと合わせの鋭さが必要なので、とにかく軽くて瞬時に強く合わせられるロッドを使うのがおすすめです。
リール
リールは手返しの速さと扱いやすさ、そして軽さを重視して小型の両軸リールを使用しています。
というか、いつも上記の極光テトラとセットで使っている、管理人自身にとっての穴釣り最強タックルです。
ダイワのコロネットⅡとシマノのクラブデミの10RLはほぼ同じ仕様です。
道糸(ライン)
この日はナイロンラインの4号が巻いてあったので、それをそのまま使用しましたが、特に問題はありませんでした。
モトスにフロロカーボンの4号を使用しているので、本来なら5号を使用しておく方が無難ですね。
もちろん感度重視でPEラインを使用しても良いと思います。
それでは、本記事のメインどころとなるスーパー回転ビーズを使った胴突き仕掛けを紹介していきましょう。
スーパー回転ビーズとは?どんなメリットがあるの?
ここまで回転ビーズという用語が度々登場してきましたが、そもそも回転ビーズとは何ぞ?という方もいると思います。
特にここでは、ささめ針(SASAME)の『スーパー回転ビーズ』という製品を使っているので、その紹介からしておきます。
上の写真で何となくわかる方は、すでに胴突き仕掛けをご存じの方だと思います。
後ほど仕掛け図で詳しく紹介しますが、一言で表すとスーパー回転ビーズとはモトスにエダスを出すための小物の釣り具です。
スーパー回転ビーズには3Sから3Lまでの7サイズが用意されており、使用する幹糸やハリスの太さに合わせて大きさの異なるビーズを使用します。
上の写真だけでは分かりにくいので、サイズと仕様(性能)が分かりやすくした情報も貼っておきます。
サイズは3S、SS、S、M、L、LL、3Lの7種類で、価格は同等ですが、サイズの大きなものは入り数が少なくなっています。
今回カワハギ釣り仕掛け使用しているのはSサイズで、18個入りになので単価は1個20円程度です。
スーパー回転ビーズの適合幹糸は、最小が0.5号で最大が40号、適合ハリスが0.5号で最大が30号なので、それこそワカサギのような小物から船釣りの大物まで使用できることが分かります。
これは単に糸を通す縦穴と横穴を大きくしているだけでなく、ラインの強度に見合った大きさにすることで、ビーズそのものの強度も高めてあるということです。
このスーパー回転ビーズを使った仕掛けのメリットデメリットを簡単にまとめておきます。
まずはメリットについてです。
- 感度の良いエダスを出せる
- 絡みのトラブルがない
- 結びは8の字結びだけで簡単
- 仕掛けが安く自作できる
- ハリス止めに比べて強度に不安がない
- 集魚玉としての効果がある
次にデメリットについても把握しておきましょう。
- 仕掛けを作るのに時間が掛かる
- ハリス止めに比べ針交換が面倒
こうして箇条書きにまとめてみると、かなり回転ビーズを使った仕掛けはデメリットに比べてメリットが圧倒的に多いことが分かります。
更にスーパー回転ビーズは無印の回転ビーズなどと比較して製品品質も確かで、規格通りのラインが通らなかったり逆に余裕があり過ぎたり、またラインを痛めるといったこともないように感じます。
因みにデメリットは、やはり仕掛けを作るのに時間が掛かるので面倒だという点に行き着くでしょうか。
釣り場でハリス交換や針交換を余儀なくされた時にも、ワンタッチで交換できるハリス止めに比べて時間が掛かるのは否めません。
スーパー回転ビーズは透明色だけでなく、夜釣りによい夜行ビーズなどもあるので、シチュエーションに応じて使い分けると良いでしょう。
堤防釣りの3本程度の仕掛けでは、それほどコスパも気にしないと思いますが、船釣りで多針仕掛けを組むのであれば、お徳用にした方が断然コストメリットは高くなります。
堤防のカワハギ釣りでおすすめのスーパー回転ビーズを使った仕掛けの作り方(胴突き仕掛け)
管理人が使用しているスーパー回転ビーズを使った仕掛けの仕様を図で紹介します。
先にお伝えしたように、堤防釣りのカワハギでは一般的な仕様ではないかと思います。
管理人の独自色が強い単竿と小型リールは先に紹介した通りですが、ここではカワハギ用ロッドとしては1.8mが標準なので、ロッドは1.8mまでの長さとしました。
リールもなるべく軽い小型のベイトリールを使う方が一般的だというのはお伝えしておこうと思います。
仕掛け部分についてもう少し詳しく補足しておくと、サルカンとスナップ付きサルカンは10号前後で、この間の幹糸の長さは堤防釣りでは1m程度でOKです。
枝針間は25cmずつ、上方のサルカンから枝針までが35cm程度、下方の枝針からスナップ付きサルカンの間は15cm程度で、これで合わせて1mとなります。
仕掛けの長さと枝針間の長さは水深に合わせるのが一般的ですが、堤防釣りで20m程度までの水深のカワハギ釣りなら、エサを見つけると追いかけて来るので1mの全長でも問題ありません(実際に先に紹介した釣行記事の釣り場は、水深25mほどあるポイントでした)。
むしろ、以下のような連掛けを狙って数釣りをするのであれば、枝針間を短くしてなるべく一か所に集め、短い仕掛けで手返しを重視する方が効果があると思います。
1匹チャリコが混じっていますが、カワハギにも時合があって調子よく釣っていてもパタッと食いが止まったりするので、釣れる時にダブルヒットでも狙っていかないと、数十匹と数釣るのは難しくなります。
なお、水深や潮の流れの強さに合わせて底オモリ(ナス型オモリがベスト)の重さを替えることもあるのでオモリはモトスに直結ではなくスナップ付きサルカンを結んでセットするのがおすすめです。
カワハギは遊泳力の弱い魚ゆえ潮が緩い目のポイントでも良く釣れ、またホバリング状態でエサを啄む魚なので、なるべく軽い目のオモリで感度を上げてやる方が良いでしょう。
そして最後に、この仕掛けを作る時に一番面倒となる、回転ビーズを幹糸に固定する部分のと、エダスを通して結ぶ部分について触れておきます。
図で示した結び目3か所は、8の字結び(エイトノット)と呼ばれる非常に簡単な結び方を使用しています。
回転ビーズの穴にラインを通し結び目を作って止めるだけなので、例えばダンゴ結びのような結び方でも止まるのですが、止めの強度の強さと結び目でラインが歪まず真っすぐに出る8の字結びを使う方が良いです。
一点注意した方が良いのは、穴に対して細めのハリスを通すと結び目が抜けるリスクが生じるので、規格の範囲でもなるべく太目になるハリスを選ぶか、ビーズの大きさの方で合わせるようにしましょう。
エダス1つに対して3つの結び、3本バリだと合計9か所の結びが必要になり、また、サルカンとスナップ付きサルカンの結び(クリンチノットやユニノットなど簡単で早く結べる方法でOK)2か所もと合わせると、合計11個の結びを行わなければなりません。
もし、釣り針も糸付き針を使うのではなく、自分でバラ針とハリスを用意して結ぶ(外掛け結びや内掛け結びでOK)となれば、更に3つの結びが必要になります。
仕掛け作りに慣れない初心者さんなら、1本の仕掛けを作るのに、30分程度掛かることも想定されます。
こうして考えてみれば、このような仕掛けが2セットで1,000円程度するというのも、頷ける話かなとも思います。
因みに管理人自身は、サイズの小さいカワハギを狙う場合は、カワハギ針1号の完成仕掛けは売っていないので釣り針も結びますが、ここで紹介している仕様の仕掛けの場合はがまかつの糸付き針を使っています。
替え針:がまかつ(Gamakatsu) 糸付 競技カワハギ 速攻 30本 4号-ハリス2.5号
針は3.5号か4号、フロロカーボンハリスは2号か2.5号がおすすめで、1本あたりの単価が30円程度です。
以上の仕様で自作の仕掛けを作った場合、慣れると製作時間が30分、2セットで400円程度といったところですが、コストメリットで自作が良しとするかどうかは釣り人さん次第と言えそうです。
ついでに別途オモリも紹介しておくと、管理人は集魚ラメの入ったようなカワハギ用のオモリは使用しませんが、夜行ビニールや蛍光ビニールを使った少し良いオモリを使っています。
スーパー回転ビーズを使った仕掛けはコスパも良く最強で、対象魚を選ばないメリットもある
さて、スーパー回転ビーズを使った仕掛けについて、作り方やコスパ面も含めていかが感じたでしょうか。
『いや、やっぱ作るの面倒でやってられんな。』という方も多いと思いますが、管理人自身も同感です。
ただ、市販の仕掛けは主にハリス止めを使ったもので、セットの簡便性はあるものの、感度的なものを考えればやはりビーズ直結の方がカワハギ釣りには強いというか、最強仕掛けだと思います。
また、強度面を考えてもハリスを挟み込んで固定するハリス止め仕掛けは強度面の不安があり、ロックフィッシュ等には使いづらいという面があります。
この仕掛けであれば、強度の不安もなく、対象魚を選ばないというメリットもあります。
写真はこの仕掛けでカワハギ釣りをしていた時の外道を含めたものですが、カワハギ、ウマヅラハギのほか、コッパグレ、チャリコ、カサゴ(ガシラ)、サンバソウ、カンダイの幼魚、イソベラ、オセン(スズメダイ)などです。
他にもフグやキュウセン、サイズのあるイシダイなどもヒットしましたが、さすがにイシダイの時はカワハギ針が折れました。
このように何でも釣れる仕掛けとなっており、仕掛けのロストさえなければ、針交換だけでモトス部分はリユースできるのでコスパも決して悪くありません。
因みに、エサは冷凍アサリのアミノソルト漬けしか使っていないので、エサの方のコスパも最強です。
このエサの作り方も別途紹介していますので、ご興味のある方はご覧ください。
先に書いたように、カワハギはエサ取り名人と言われるほどエサを取るのが非常に上手く、なかなか針掛かりしません。
漁港内に多い小サイズのカワハギは口も小さいので、なおのこと釣り上げるのは困難です。
そんなカワハギを数釣れるようになるには、いくつかのポイントがあります。
- 感度の良いタックル
- 繊細な仕掛け
- 針持ちの良いエサ
- 瞬間的なアワセ
- カワハギがいる釣り場
これらのいずれが欠けても、カワハギの数釣りを実現するのは難しいだろうと思います。
ここで紹介した内容は、上記で釣り場を除く4点をすべて満たすことが可能なものだと思うので、是非とも参考にしていただければ幸いです。
以上で、堤防釣りで最強ではなかろうかと考える回転ビーズを使った自作のカワハギ仕掛けの紹介を終わります。
仕掛けを準備するのに少々手間取るかと思いますが、普段ビーズのハリス止めを使って自作している方は、是非こちらの仕掛けもお試しください(必ず釣行前にある程度準備しておきましょう)。
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