どのような種類の釣りにおいても、使用効果の高さを実感できる釣り糸を準備しようと思えば、それなりにお金が掛かかります。
だからこそ、自分の釣りに合わせたものをしっかりと把握したうえで、準備するように心掛ける必要があります。
ここでは、釣り糸(ライン)の太さと強力及び強度の関係について、ナイロン・PE・エステルの3種類の素材ごとの違いを含めて紹介します。
なお、釣りの入門者さんや始めたばかりの初心者さんで、釣り糸の素材の違いについてご存じない場合は、これについて焦点を当てた記事も用意しております。
そちらの記事も合わせてご覧頂ければ、より理解も深まると思います。
釣り糸の種類と素材についてはコチラをどうぞ
海釣りで使う【釣り糸】(ライン)の太さと強力及び強度
釣り糸を使用するうえで、自身の釣りに合った適切な強力のラインを使用することは、非常に重要です。
強力という釣り糸の強度が上がるのはプラスの要因ですが、強ければ強いほど太さが太くなるというマイナスの要因と表裏一体となっています。
使用する釣り糸が細いことによるメリットと、太いことによるデメリットについても、別途紹介しています。
釣り糸の太さは釣果に影響を及ぼす要因なので、なるべくなら細いラインを使うに越したことはありません。
ここでは、まずはラインの太さと重量の関係を紹介した後に、強力と太さの関係について紹介します。
【釣り糸】(ライン)の号数と太さ及び重量の関係
ラインの太さを示す手段として、日本で古くらから使われているのが号数表示です。
ナイロンラインの開発後に標準直径というものが規格化されましたが、その際、テグス5尺(約150cm)の重さが1厘(0.0375g)のラインを1号と定め、このときの直径が1厘(0.165mm)だったことに端を発し、現在もなおこの規格が使用されています。
ただし、ラインの断面は完全な真円ではなく、太いところもあれば細いところもあります。
まして、PEのような編まれたラインなら、なお真円の断面を望むのは酷というものでしょう。
それゆえ実は標準直径とは「重さ(体積)をもとに算出された平均の太さ」になっているのです。
すなわちラインの号数はラインの直径と比例関係になっておらず、一定長さ当たりの重さと比例関係になっているということです。
以下に簡単な例で示してみます。
ナイロンライン1号
100mの重さが2.5gあります。
ナイロン1号の平均太さは0.165mmと決まっています(標準直径)。
体積は計算によって求まり・・・
3.14×0.165×0.165×100×1,000=8,548.65(立方mm)となります。
ナイロンライン10号
100mの重さは1号の10倍の25gあります。
それなら体積も10倍で85,486.5(立方mm)あるはずです。
よって平均太さは計算によって求まり・・・
(85,486.5÷3.14÷100÷1,000)の平方根=0.522mmとなります。
1号と10号を比較してみると分かりますが、号数が10倍になっても、太さは3倍程度にしかなっておらず、平均太さ(標準直径)があくまで計算によって求められたものでることが分かります。
【釣り糸】(ライン)の強力及び強度について
釣糸の強さは強力と強度で表すことができます。
強力(引っ張り強力)というのは、ラインの両端を引っ張って切れた時の荷重の重さのことをいいます。
2kgの荷重で切れたのなら、その糸の強力はそのまま2kgということです。
ラインを購入する際、パッケージにラインの強さを表すのにポンド(LB)テストまたはkgテストの数値が表示されているのを見かけます。
先にも述べたように、ラインには太さに多少のムラがあるため、すべての部分が同じ強力とはいきませんが、大体どの程度の荷重までそのラインが耐えられるかを重量の数値として把握できます。
ちなみに最近多いのが、日本人にはあまり馴染みのないポンドで強力が表示されている製品で、これはI.G.F.A.(国際釣魚協会)ルールに則った表示に準じています。
なお、1LBは0.45kgであることから、互いに換算は簡単に出来ます。
次に、ラインの強度について説明します。
ラインの強力を、そのラインの一定長さ当たりの重さで割ったものが強度です。
9,000mあたりの重さ(g)を【デニール】、10,000mあたりの重さ(g)を【デシテックス】といいます。
いずれもライン重さ単位当たりの糸の引っ張りの強さを表す単位となりますので、強いラインほど数値が大きくなります。
これは、上記の強力とは異なり、そのラインの素材が持つ本質的な強さを表す数値となります。
糸の太さに関係なく、同じ号数のラインでも、製品ごとによって強度は違い、その糸の本来の強さを比較できます。
【釣り糸】(ライン)の強力(号数)と太さの一覧表
すでにラインの強さを表すのに、強力と強度が使用されていることは理解出来たと思います。
また、ラインの強度について勘違いしがちですが、製品に記載されている表示は【強力】を指していることも理解いただけたかと思います。
以下には、主要なライン素材であるナイロン・フロロカーボン、PE及びポリエステルの【強力】、【号数】、【標準直径】について、標準的な数値を表に纏めておきます。
【釣り糸】(ライン)の太さと強力の関係表(標準数値)
素材の異なるラインを準備する際に、一目で分かり易いように纏めてありますので、参考にしてもらえれば幸いです。
ただ、管理人自身にも当てはまることですが、何となく【強力】という言葉よりも【強度】という言葉が身に染みついています。
現実的に【強度】という用語の方が使用されるケースが多いような気もしますが、この機会に正しい知識を身に付けておきましょう。
なお、ラインは号数やLBテスト(kgテスト)だけで、太さや強さを把握しきることはできません。
釣り糸の持つ本当の太さや強さは、ラインの単位重さ、引っ張り強力、強度を把握する必要があります。
それ以外にもラインの特性を掘り下げようと思えば、PEのブレイド数、結節強力や伸縮性、使用環境や吸水性、劣化度合など、まだまだたくさんのファクターが存在します。
釣りのネタ帳ではラインに関する様々な紹介記事をご用意していますので、時間があれば、以下の関連記事も合わせてご覧下さい。
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