釣りのネタ帳では、アジ、サバ、イワシなど小型の青魚をターゲットとしたサビキ釣りに関連して、基本的な内容から少しマニアックな内容まで幅広く紹介しています。
防波堤で行うサビキ釣りと言えば、波止際に回遊してきた魚を釣る一般的なサビキ釣りと、波止際だけでなく沖目のポイントも狙える投げサビキを行う釣り人が大半を占めます。
その他にも、エサを使うトリックサビキや、遠投サビキ、ルアーフィッシングのジグサビキなどありますが、これらは初心者さんやファミリーフィッシングが気軽に取り組んで釣果を得られる釣りではありません。
それゆえ、当サイトではサビキ釣りと投げサビキに焦点を当て、仕掛けや釣り方のコツなどについて詳しく紹介してきました。
そして、それらの紹介記事の中で、サビキ釣りにおいては、ちょっとした仕掛けの工夫をすることで、更に釣果を伸ばすことが出来るということもお伝えしました。
ここでは、サビキ釣りにおけるその”ちょっとした仕掛けの工夫“である【おまけ針】の使用について紹介します。
なお、サビキ釣りや投げサビキについて詳しくご存知ない方は、以下の記事を先にご一読頂いた方が良いかもしれません。
- アジ、サバ、イワシなどの青魚の習性
- サビキ釣りに良い時期(シーズン)と時間帯
- サビキ釣りのタックル、仕掛け及び便利グッズ
- サビキ釣りで使うエサのアミエビ
- サビキ釣りの釣り場とポイント
- サビキ釣りのテクニックとコツ
- お勧めのサビキ釣りセットやタックル・仕掛け
- 通常のサビキ釣りと投げサビキ釣りの違い
- 投げサビキの仕掛け
- 投げサビキ釣りで使うアミエビ
- 投げサビキ釣りが有効に使える条件
- 通常のサビキ釣りと合わせ、投げサビキ釣りをマスターしておきたい理由
サビキ釣り仕掛けにセットした【おまけ針】で釣果を伸ばそう!!
いつものように、タイトルで既にネタバレしていますので、先に結論から言ってしまうと、サビキ釣り仕掛けには、おまけ針をセットすることで、通常のサビキ釣りのターゲットであるアジ、サバ、イワシなどの青魚以外にも、様々な魚を狙える仕掛けに早変わりします。
上の写真では、いずれもサビキカゴの下にアジがヒットしていますが、右の写真ではカゴの上にもアジが付いており、仕掛けが下カゴサビキだということが分かります。
これがおまけ針なのですが、管理人の経験上、サビキ針への食いが渋い時でも、アジ、サバのおまけ針へのヒット率は異様に高く、群れが接岸してさえいれば、まず確実に釣果は持ち帰れます。
更に、青魚以外でも、チヌ、グレ、サンバソウなどの釣って嬉しい上物、カサゴやメバル、アイナメなどの食べて美味しいロックフィッシュ、そして、意外とキスやカレイなどの底物も釣れることがあります。
また、時にはヒラメやアコウなどの高級魚が掛かったり、スズキやボラなど掛かって困る大物などもヒットします。
もちろん、おまけ針を使うことで、エサ取りとして定番のベラ、カワハギ、フグ、オセン(スズメダイ)やウリボウ(シマイサギ)などに余計に悩まされることもありますが。
この写真の左にはサビキウキが写っていますが、サビキ仕掛けのおまけ針に食い付いたチヌを寄せてきたところで、チヌが最後の余力で潜った瞬間です。
右が上がってきた35cmほどのチヌですが、なんとこの時はおまけ針が目の上あたりにスレで掛かっていました。
このように、サビキ仕掛けであっても、青魚以外にも大物が釣れるケースが珍しいものでは無いのが、おまけ針の最大の魅力です。
・・・と、ここまで紹介してきてなんなのですが、そもそも『【おまけ針】とは何ぞな!?』と思われる方も多いかと思いますので、ここで、おまけ針とはどういったものかを説明しておきます。
【おまけ針】とはどのような仕掛けなのか!?
ここまで、当たり前のようにおまけ針という用語を使ってきましたが、そもそもこの【おまけ針】という用語は、釣り用語として認知されているわけではありません。
インターネットで検索してもらっても分かりますが、この用語に関して説明がなされているサイトは、ほぼ皆無と言っても良いでしょう。
では、『この用語が使われた釣り道具はないのか!?』というと、そういう訳ではなく、ささめ針の商品では以下のようなものが販売されています。
サヨリ釣りに使うピンクベイトが付いた仕掛け針のようですが、この仕掛けにはおまけ針という名で、カラ針も付いています。
ピンクベイトはエサ付け不要ですが、カラ針にはエサ付けが必要になります。
サヨリが寄って、活性の高い時には、ピンクベイトとカラ針でのダブルヒットが期待できるというのが売りのようですが、この仕掛けのメインは当然ピンクベイトを仕込んだ仕掛けという点でしょう。
ここで使われる【おまけ針】という用語は、読んで字の如くメインの仕掛けに、【おまけ】で付けた【針】ということでしょうが、棚の兼ね合いもあり、ターゲットはあくまでサヨリに設定されています。
さらに本記事の趣旨にも繋がることですが、ささめ針から販売されている【おまけ針】仕掛けにはもう一種類あって(2016年6月時点)、まさにサビキ釣り仕掛けに対してセットするものが販売されています。
ささめ針の『おまけ針』
天秤カゴに取り付けて、サビキ釣りの魚と一緒に、それ以外のおまけの魚を狙おうという趣旨の商品のようです。
サヨリの仕掛けと同じように、メインとしてサビキ仕掛けがありますが、こちらは【おまけ】の魚を釣るための【針】という位置付けで、【おまけ針】と呼んでいます。
2種類の仕掛けで、おまけ針の使い途として大きな違いがありますが、いずれもメインの仕掛けにプラスアルファで取り付けた針という点は同じで、これが【おまけ針】の本質を示していることに違いはないでしょう。
それでは次に、おまけ針を使う際のメリットとデメリットについて、簡単に紹介しておきましょう。
サビキ釣り仕掛けでおまけ針を使うメリットとデメリット
おまけ針を使うことによる最大のメリットは、すでに述べたように通常のサビキ釣りのターゲットであるアジ、サバ、イワシなどの青魚以外にも、様々な魚を狙えることです。
サビキ仕掛けは、青魚が接岸(周遊)してきて、活性が高くエサを積極的の捕食する時には非常に有効な仕掛けですが、青魚が接岸してくるタイミングというのは、その日その日で変わり、魚が寄っていない時にいくらアミエビをカゴ詰めして撒いても、何一つ釣れないことがあります。
また、シーズン外れや釣り場所によっては、小さな群れが時折通り過ぎるだけで、うまいタイミングでサビキにヒットさせられない時があります。
最悪の場合は、最後までアジ、サバ、イワシは回遊してこず、何も釣れなかったということも珍しくありません。
そんな時でも、おまけ針をセットしておくことで、マキエをしながらウキ釣りなどのエサ釣りをしているのと同じような効果が得られます。
おまけ針はサビキカゴの付近に取り付けていますので、海中でカゴから放出されるアミエビは、ピンポイントで刺しエサ付近を漂うことになります。
そのエサを目当てに青魚以外の先に書いたような、魚が狙えるのですが、棚を中層から底付近まで幅広く狙うことで、非常に幅広い魚種のヒットが期待できます。
極端な場合は、撒き餌の切れた仕掛けを置き竿しているだけで、たまたま通りかかったアジが釣れるということも普通に起こります。
また、サビキ釣りでアジ、サバ、イワシが活発に釣れている時はもちろん、サビキ針へのヒットが渋い時でも、アジやサバについては付けエサに非常に良く反応します。
管理人の経験上、サビキ仕掛けの底に付けているおまけ針では、サビキに掛かる魚よりも良型が期待できるようにも思います。
そして、食いが悪い時のオマケ針の有効性は、通常のサビキ釣りよりも、投げサビキでより顕著な結果として現れます。
それは、通常のサビキ釣りは釣り竿の上下により、頻繁な誘いが可能ですが、投げサビキは仕掛けが波止から離れた沖に位置しますので、大きなアクションを起こしても誘いがかかり難いという面があります。
誘いが掛け辛い状況で、擬餌針と刺しエサのいずれに軍配が上がるかを考えれば、投げサビキでより効果を発揮できるという結果にも合点がいきます。
次にサビキ仕掛けにおまけ針を付けることのデメリットですが、最大のデメリットは、仕掛けが絡みやすくなるという点でしょう。
仕掛けの絡みは手返しの遅さを招き、折角の時合に釣果を伸ばせなかったというようなことに繋がりかねません。
何度も仕掛けの絡みと解きを繰り返すことで、仕掛けに糸よれや癖が生じ、仕掛けがうまく機能しなくなることもあります。
次にデメリットと言えるかどうか分かりませんが、おまけ針には刺しエサが必要になるので、針とエサの両方に掛かる費用分だけコストアップになります。
更に先の仕掛けの絡みの時と同じように、針にエサを付ける作業が発生する分、手返しは遅くなります。
魚の活性が高く、青魚が鈴なりで釣れているような時は、おまけ針を外してサビキ仕掛けのみで勝負する方が、釣果を伸ばしやすいでしょう。
それでは最後に、上記のメリットとデメリットを踏まえた上で、サビキ釣りをする際に、管理人のお勧めするおまけ針の使い方について紹介します。
サビキ釣り仕掛けに取り付けるおまけ針の使い方
先ほど、サビキ釣り仕掛けで天秤カゴを使った仕掛けにセットする、ささめ針の『おまけ針』という商品を紹介しましたが、管理人としては、おまけ針に特別な仕掛けは必要ないと思っています。
実際に管理人が使用するおまけ針は、至ってシンプルなものです。
上図は一般的な投げサビキ仕掛けに、おまけ針をセットしたものですが、おまけ針を結ぶ位置はサビキ用のアミエビカゴに付いているスナップやサルカン(スイベル)です。
そして使う針は、糸付きで安価で販売されているメバル針やチヌ針で十分その役割を担ってくれます。
結び方も至ってシンプルで、クリンチノットやユニノットで問題ありません。
クリンチノットやユニノットをご存知ない方はコチラをどうぞ
メバルとチヌを例に挙げたのは、対象魚による使い分けと考えてもらえば結構で、浅い棚でのサビキ釣りをメインに考えるなら、食いの良い細めのメバル針を使うのが良いでしょう。
そして、大物の魚でチヌやグレ狙い、あるいは棚が底付近のロックフィッシュを対象に考えるなら、胴がしっかりとしたチヌ針を使のがおすすめです。
特に後者の場合は、仕掛け自体ハリスの短さで伸びが期待できない分、ある程度のサイズの獲物がかかった場合の時も考え、ハリスは1.5号にしておく方が無難でしょう。
実績としては、1.5号のハリスで冒頭に紹介したチヌの35cm程度や、ヒラメの40cmクラス、ボラなら50cmクラスまでの取り込み実績があり、幹糸との太さのバランスもある、これ以上にハリスを太くとるメリットはありません。
なお、この仕掛けをする際に、一点気を付けたいことがありますが、セットするおまけ針のハリスの長さをあまり長くしないことです。
具体的に言うと、おまけ針を結んだ位置から、一番下に付いているエダスの結び目までの長さと同等以下にしておくことです。
これは、仕掛けが沈んでいく過程で、針は水の抵抗で上に浮き上がろうとした状態で沈んでいくので、この時にハリスが長すぎると、エダスの根元に引っ掛かり、結果的にサビキ針に掛かった状態で仕掛けが上がってきます。
先に出てきたささめ針の天秤カゴを用いる方法は、仕掛けの絡みを防止する効果はありますが、天秤そのものへの絡みは防止できず、コストが掛かる上に魚の当たりが出にくくなるというデメリットも生じます。
管理人としては、仕掛けの絡み防止のための天秤カゴの使用については、あまりメリットを感じることがありませんので、おまけ針のために使用することはありません。
おまけ針を、『あくまで【おまけ】の位置付けで使用』するのか、あるいは青魚の回遊が期待薄の状況で、『おまけ針でのヒットに依存する釣り』になるのか、などの状況に応じて仕掛けを考えれば良いと思いますが、後者であれば純粋なカゴ釣り仕掛けにチェンジする方が良いでしょう。
なお、おまけ針に付けるエサですが、対象魚を縛らないのであれば、第一選択肢はオールマイティな【生オキアミ】にしましょう。
次におまけ針でも青魚をメインターゲットに考えて用意するなら、【サシアミ(大粒アミエビ)】の食いの良さが最も向いています。
ここで再度、使う針についてですが、いろいろと理由はあるのですが、結論だけ伝えますと、前者の用途であればチヌ針を、後者の用途であればメバル針を選択しましょう。
なお、チヌ針の代わりにマルセイゴや伊勢尼に変えるのは問題ありませんが、メバル針の代わりに袖針に変えることはお勧めしません(ターゲットが更に限定されます)。
以上で、おまけ針の使い方についての紹介を終えます。
サビキ釣りはファミリーフィッシングや初心者さんでも気軽に釣果を得られる釣りである反面、釣れる魚も釣りそのものも単純になりがちです。
おまけ針は、このサビキ釣りをより楽しめる釣りにしてくれるエッセンスのようなもので、エサ釣りでの五目達成の要素も加われば喜びもひとしおのことでしょう。
また、青魚が寄っておらず、何もヒットせずに気分が滅入るような時でも、何かしらの獲物を狙える仕掛けになっていますので、モチベーションの維持にも繋がります。
普段サビキ釣りを楽しんでおられる方で、この【おまけ針】付きの仕掛けを試したことがない方は、ぜひ一度チャレンジされることを強くお勧めします。
仕掛け紹介で出てきた糸付き針ですが、こちらは信頼できるブランドの中であれば、オーナー針のものが最も安価で入手できるので、良く使用しています。
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