サルカンやルアーの簡単な結び方についていえばクリンチノットやユニノットがベーシックな結びに当たりますが、今回はナイロンラインやフロロカーボンラインだけでなく、PEラインでもルアーやサルカンに結べる方法の紹介です。
釣り糸の結び方と言えば、そのほとんどは結束強度を上げようとすればするほど、ノットは複雑で手間が掛かるというのが一般的です。
言い換えると、簡単に結べるノットは、その代償として強度が少し心許ないという心配があります。
ただ、ここで紹介する【ハングマンズノット】という結び方は、簡単で速い結び方でありながら、90%オーバーの強度が出る結び方になります。
ハングマンズノットでノットを組む際には、いくつか注意点がありますので、結び方のコツと注意点を詳しく説明しながら紹介したいと思います。
PEラインをルアーやサルカンに直結できる結び方【ハングマンズノット】
釣りのネタ帳では、様々な釣り糸の結び方(ノット)について紹介しています。
紹介している結び方の多くは、釣りの入門者さんや初心者さんでも簡単で速く結べて、なおかつどのような仕掛けにも使いやすい、汎用性の高いポピュラーな結び方です。
一部は最強ノットシリーズとして、結束強度を追求したものも紹介していますが、結び方そのものは奇をてらわないスタンダードなものだけを紹介しています。
ハングマンズノットについても、ルアーフィッシングでリグを組む際に、よく使用される人気のある結び方になるので、ご存じない方は是非とも参考にどうぞ。
ハングマンズノットとは
まず最初に、ハングマンズノットとは、基本的にはフロロカーボンやナイロン素材など、モノフィラメント系の釣り糸をルアーに接続するノットです。
ナイロンラインで例を挙げると、1号程度の細めの釣り糸から6号程度の太めの釣り糸までで最大限強度を発揮する結び方です。
一方でPEラインを直結できるというメリットもあり、その反面、デメリットは非常に少ないノットという特徴があります。
結び方の操作手順を紹介する前に、先にハングマンズノットとは、どのようなシチュエーションに向いた結びであるかを確認しておきましょう。
なお、ハングマンズノットは海釣り(ソルトウォーター)でも淡水の釣りでも使えますが、管理人自身の釣りは一般的な防波堤で行う波止釣り(堤防釣り)と船釣りが中心なので、以降の記述は海釣り中心の記述になっていますので、その点はご了承願います。
ハングマンズノットのメリットとデメリット
ハングマンズノットのメリットとデメリットについて以下に箇条書きで示し、その後で簡単に補足しておきます。
まずはメリットの紹介です。
- ノットは簡単で速く覚えやすい
- 結束強度は90%以上で強い
- PEラインも可能でラインの種類を問わない
- 結び目は小さく、ガイド擦れなど抵抗は極小
まず、ハングマンズノットとは、前述のようにルアーマンに人気のメジャーな結び方です。
ノットそのものは簡単で現場の釣り場でも迅速に結べ、覚えやすいので一度覚えてしまうとすぐに身に付くと思います。
初心者・中級車・上級者問わず使用者がおり、ルアーのアイに限らず、スナップ、スプリットリング、サルカンなど、環になった部分なら対象を選ばず結ぶことができます。
ナイロンラインやフロロカーボンラインを使用する場合は、結びの対象となる軸の太さに対して、適切な太さのラインを使用すれば、結束強度は90%以上を達成することも可能です。
ライン選択がバッチリでうまく結べれば、最強ノットと呼び声高いパロマーノットに肩を並べ、引っ張り強度も100%に限りなく近づきます。
ライン選択の一例として、通常のシーバスルアーなどのアイの太さだと最低でも1号(4lb)は必要で、最適な太さは2号~6号程度となり、それ以上の太さのラインを使用するとノットの特性上強度が少しづつ下がります。
逆にマイクロベイト対象の細糸で0.3号のエステルラインを使うとか、0.8号(3lb)以下のショックリーダーを使ってアジングやメバリングなどのウルトラライトゲームをする場合には、少し抜けやすくなるのでその点はご注意ください。
なお、ハングマンズノットはPEラインでも結べるというメリットがありますが、コチラの場合はラインの強度に制限はありませんが、細糸を使う場合は安心を買う意味でハーフヒッチを入れておくのも良いでしょう。
そして、結び目は小さく空気抵抗や水抵抗、ガイド擦れなどはほぼ皆無ですが、結ぶ際にいくつか注意しておかないと、失敗して折角の結束強度が出ないこともあるので、そのあたりは次項の結びの手順で説明します。
次にデメリットについても把握しておきましょう。
- 太糸(10号以上)には不向き
- ノットの成功にはいくつかの注意点あり
ハングマンズノットはリーダーとして使用されることが多いノットですが、ナイロンやフロロを使う場合には、ラインの太さにはある程度の制限があります。
前述のとおり、ソルトゲームを例に挙げると、ウルトラライトゲームで使用する極端な細糸や、ジギング等に使用する太糸での適正は低いです。
比較的汎用性は高いノットですが、万能ではありませんので、釣りの種類を考えて使用する必要があります。
また、ノットを組む際にいくつかのポイントがあり、そこでミスすると結束強度が大きく下がるので、結び直しを余儀なくされます。
簡単な結びでありながら、一癖あるノットだと認識しておく必要があります。
結びの際の注意点については、具体的な内容も含め、次項の結び方の手順で詳しく紹介します。
以上のように、メリットの多さに比べ、ノットの難易度が上がるという点とラインの太さに制限があるという点以外で、特にデメリットはありません。
ラインの太さにもかなり幅があるので、結びに慣れさえすれば、強度が高いハングマンズノットは堤防釣りではかなりお勧めのノットだと言えます。
それでは改めて、ハングマンズノットの結び方について紹介していきましょう。
ハングマンズノットでルアーやサルカンを結ぶ手順とコツ
当サイトではステップの少ない簡単な方法は手が映らないイラストで、逆に手元が確認できた方が分かりやすい結び方は写真で紹介しています。
ハングマンズノットは手順は決して複雑ではないのですが、ステップを細かく分けて紹介した方が分かりやすいので、ここでは写真で紹介します。
なお、ハングマンズノットは実演動画でも紹介しており、コチラは本記事の最後で紹介しています。
写真で確認しやすいように、カラーラインで6号(22lb:約10kg)のナイロンラインをリーダーに見立てて使用します。
ダイソーの100円ジグがあったので、スプリットリングを取り外して、ルアーのアイにリーダーとして直結で結んでみます(サルカンにハリスを結ぶ場合も操作は同じです)。
管理人自身は右利きなので、左手でルアーを持ち、右手でラインを操作していきます。
スタートはラインの端糸を輪の中へ通してやります。
写真では端糸の先が下から上へ抜けるように通しています。
端糸を10cmほど本線に添わせるように折り返してやり、折り返しの中間あたりを親指と人差し指で押さえています。
すなわち、押さえた先には、5cmほどの端糸が残っている状態です。
折り返しの中間点から、更にルアーの方へ折り返すために、右手の人差し指に折り返しのラインを引っ掛けます。
そして、リーダーの端糸の先は左手の親指と人差し指で摘み、2本のラインの上側に誘導しています。
この後、この端糸で本線と折り返しの2本のラインを巻いていきます。
ちなみに、ルアーは左手の腹あたりで支えていますが、慣れるとルアーを宙ぶらりんにした状態で結ぶこともできます。
前述のように、端糸で本線と折り返しの2本のラインを巻いていきます。
ここでは、端糸を手前側から奥側へ巻いています。(手前側は下から上へ、奥側では上から下へ端糸が巻かれます。)
また、ここで注意点ですが、巻きの方向は輪の方からルアーの方へ向かって、必ず巻きが重ならないように巻きましょう。
巻く時には中指などもうまく使って、端糸をうまく持ち替えながら巻いてください。
使用するラインの太さにもよりますが、原則として巻き数は4回にしておきましょう。
3回以下だと抜けるリスクが増し、5回以上だと結束強度が下がる傾向にあります。
巻き終えた端糸の先を折り返し、人差し指に引っ掛けて作っておいた輪の中へ通します。
写真では向こう側から手前側へ端糸を通しています。
輪の中に通した端糸の先を矢印の方向へ引きます。
ポイントは輪や巻きの部分が重ならないように、ゆっくりと水平に引いていくと、輪が小さく締まっていきます。
端糸を引いていった時の、正しい輪の締まり方を示しておきます。
ゆっくりとうまく引いていけば、左のように巻きが重ならず締まっていきます。
写真の状態くらいまで輪が締まればOKです。
輪を引いたときに右のようになってしまうとOUTなので、もう一度結び直しましょう。
ダブルラインを巻いていく時の幅、端糸を引く時の角度が水平でない、端糸の抵抗に対して強く引っ張ってしまったなど、いくつかの原因でこのようになります。
この状態で最後の締め込みまでいってしまうと、例え見た目は普通に結べたように見えても、巻きが重なり大幅に結束強度が低下します。
なお、しなやかで張りのないPE ラインを結ぶ場合は、このケースでの失敗はほとんどありません。
いよいよ締め込みになりますが、写真と言葉で説明すると長いのですが、実際に結ぶと10秒から20秒程度でここまで到達します。
どのようなノットでも共通の約束事ですが、ノットを締め込む時には、摩擦での発熱を押さえるため、水分を含ませて滑りを良くしてから行いましょう(唾をつけてもOKです)。
摩擦の大きな状態でノットを締めると、ラインの劣化・損傷を招くので、初心者さんは気を付けてください。
左手でルアーを押さえ、右手で本線をゆっくりと引いていくと結び目が締まっていきます。
写真では、締め込み度合に合わせて、端糸の位置が変わっていくのが確認できます。
本線を引いて結び目を締め込むと、このように端糸がクルリンと一周程度、本線を中心に回ります。
ここで説明したとおりに結んだにも関わらず、このような挙動を示さない場合は、おそらくノットを失敗していると思うので、結び直しましょう。
ハングマンズノットの結び目の状態は、ご覧のとおりです。
本線と折り返しを巻いた端糸が、きれいに並んでいるのが確認できます。
何度も言いますが、輪が重なってダンゴ結びのようになっていれば、ノットに失敗しているので結び直した方が無難です。
大物釣りに使うことも多いノットなので、ヒットした魚をノット抜けでバラしたら、後悔することになります。
余計な端糸をカットします。
普通に1mm~2mm程度残して切り落とせばOKです。
ハングマンズノットでは、捨て糸が少なくて済むというメリットもあります。
以上で、ハングマンズノットの完成になります。
ここではルアーのアイへ結びましたが、サルカンなどでも同じように結べます。
ただし、14号~18号程度の極小サルカンなどの場合は非常に結び辛いので、左手で持って十分引っ張れるようなものが対象になると考えておきましょう。
なお、この結びはユニノットと同じように、結び目をつまんで本線の方へ引っ張ると、一度締め込んだ輪を開くことが可能です。
すなわち、フリーノットのようにルアーに遊びを持たせることが可能ですが、この結びで特にフリーにするメリットはないと思うので、おすすめはしません。
いくつか注意すべきポイントを挙げましたが、ノットに慣れてコツが分かれば失敗もなくなりますので、是非ともお試しください。
ハングマンズノットの実演動画
ハングマンズノットを使ってルアーとラインを結ぶ方法はについては、動画でも詳しく紹介していますので、宜しければコチラの動画も合わせてご覧下さい。
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サルカンを結ぶような方法は、すべてルアーのノットにも使えます。また、ラインとリーダーの結び方なども詳しく紹介していますので、宜しければ合わせてご覧下さい。
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