釣りのネタ帳では、様々な釣り糸の結び方(ノット)について紹介しています。
当初は釣りの入門者さんや初心者さんでも簡単で速く結べて、なおかつどのような仕掛けにも使いやすい、汎用性の高いポピュラーな結び方を中心に紹介してきました。
サルカンやルアーの結び方についていえばクリンチノットやユニノットがベーシックな結びに当たりますが、簡単に結べる代わりに強度が少し心許ないという心配もあります。
そこで、最近では結束強度に定評のある結び方を【最強ノット】シリーズとして紹介しています。
今回は太目のラインを使ってルアーを結ぶ方法の中で、最強ノットと呼び声高い『パロマーノット』という結び方について紹介します。
ここではショックリーダーをルアーのアイへ結ぶ方法として紹介しますが、サルカンやスプリットリングなど環になっているものなら何でも同じように結べます。
パロマーノットは少しばかり癖のある結び方で、使い方も限定されるノットですが、オフショアジギングや磯での青物など大物狙いのルアーマンによく使用されます。
それだけ聞いてもパロマーノットの強度に対する信用度の高さは計り知れますが、もちろんライトショアジギングなどでも使いますので、ルアーマンでご存知ない方なら是非ともマスターしておいて欲しいノットです。
それでは早速、ルアーの結び方としてのパロマーノットについて紹介していきましょう。
【最強ノット】パロマーノット – ルアーとラインの結び方 –
ルアーのアイに限らず、スナップ、スプリットリング、サルカンなど、環になった部分へ結ぶ方法はたくさんありますが、前述のように、このパロマーノットは強度の高い少し太いラインを結ぶ際に効果が高い方法になります。
具体的に言うと、ナイロンやフロロカーボンで、強度が20lb(9kg)以上あるようなライン(号数表記では5号以上)を結ぶ際に有用です。
PEラインで直結する場合にも抜けにくいので普通に使えますが、ハリのあるラインを結ぶのに比べると結びの完成度は下がるリスクが高いです。
パロマーノットの最大のメリットは、その結束強度の高さで、キッチリと結べば引っ張り強度は100%を達成することも可能な結び方です。
その反面、少しばかりのデメリットもありますが、それは結び方を紹介した後の方が分かりやすいので、後ほどメリットとデメリットのまとめにて紹介します。
それでは早速、パロマーノットの結び方について紹介していきましょう。
パロマーノットでルアーを結ぶ手順
当サイトではステップの少ない簡単な方法は手が映らないイラストで、逆に手元が確認できた方が分かりやすい結び方は写真で紹介しています。
パロマーノットは手順は決して複雑ではないのですが、ステップを細かく分けて紹介した方が分かりやすいので、写真で紹介します。
なお、パロマーノットは実演動画でも紹介していますので、コチラは後ほど紹介します。
写真で確認しやすいように、カラーラインで6号(22lb:約10kg)のナイロンラインをリーダーに見立てて使用します。
ダイソーの100円ジグがあったので、スプリットリングなどは使わずに、これのアイに直結で結んでみます。
スタートはラインの端糸を折り返してやります。
ルアーを結ぶ場合には、ルアーの倍くらいの長さになるように、折り返しの長さをとっておきます。
折り返した端糸の先は、本線と合わせて指先で押さえましょう(写真では右手側)。
折り返し部分を、ルアーのアイに通します。
ツゥーと本線側に引っ張ってきます。
折り返しの先部分からアイまでの長さが、ルアーの長さと同じか、少し長くなるくらいまで引っ張り上げましょう。
ここで、折り返し部分と、本線+端糸のダブルラインとの間で1回結んでやります。
手前から奥へ通しても、奥から手前へ通してもどちらでも構いません。
結んだ折り返しの先端をルアーのテールまで引っ張って来て、そのまま折り返しの輪の中へルアーを通してやります。
最初のステップで折り返しの長さを、ルアーの倍程度取っていたのは、ここでルアーをまたぐのに十分な長さが必要になるためです。
ルアーを通した折り返しの先端は、本線+端糸のダブルライン側の一番上まで引き上げてやります。
折り返しの先端は、左の人差し指にでも引っ掛けておき、本線と端糸の2本を合わせてゆっくりと引いていきます。
そうすると、アイに通した後に一回結んだ時に出来た輪が締まっていきます。
この時、アイに通った2本(ダブルライン)がキチンと平行に並び、クロスしないように注意しましょう。
ここでこのダブルラインが重なったり、クロスしているとパロマーノット本来の結束強度がでないので要注意です。
本線と端糸の2本を合わせて、締め込み切った状態です。
右手の親指に引っ掛けているのは、先ほど左の人差し指にでも引っ掛けておくといった、ルアーを跨いだ折り返しの先端です。
アイに通った2本がキチンと平行に入っていますが、この段階でもしクロスしていたら結び直しましょう。
パロマーノットで結束強度が安定しない方は、ほとんどの原因がこの時点で失敗しているためです。
次はルアーを通した方の輪(折り返しの輪)を締め込んでいきます。
先ほどは本線と端糸の2本を合わせて引きましたが、今度は端糸だけをゆっくりと引いていきます。
この操作では強い摩擦が生まれますので、引っ張る前に結び目を一度口に含んで唾を付けるなど、水分気を与えておきましょう。
端糸を引き切り、締め込みが完了しました。
この端糸は、一度締め込んだ中を通って引かれてきますので、端糸はヨレヨレになります。
それだけ抵抗が掛かっているという事になるので、キッチリと水分気を含ませてから引くようにしましょう。
余った端糸は普通に、2mm程度を残してカットすればOKです。
以上で、パロマーノットの完成になります。
ルアーへのラインの結び方そのものは非常にシンプルなので、一度覚えてしまえば、簡単にすぐに結べるようになります。
ただ、結びの説明の中で記載したいくつかの注意点については、シッカリ意識して操作を行う必要があります。
ルアーとラインの結び方【パロマーノット】のメリットとデメリット
最後にパロマーノットの特長や注意点について、上記と重複することもありますが、メリットとデメリットとして纏めておきます
まずはメリットについてです。
パロマーノットのメリット
- 結束強度は最強クラス
- 結び方は簡単に覚えられる
- 太糸で張りが強くても滑りにくく抜けにくい
- リーダーだけでなくPEライン直結でも使える
次にデメリットについても把握しておきましょう。
パロマーノットのデメリット
- 強度が安定しない
- 細糸ではメリットがない
- ノット時の捨て糸が多い
メリットとデメリットについて、少しばかり補足しておこうと思います。
パロマーノットは、主に強度の高い太いラインを使用する場合に使われるノットで、ライトゲームのような細糸を使う釣りでは不向きです。
締め込みの問題だけではなく、一度結んでもらえば分かりますが、一度の結びで捨てることになる端糸の長さは少なくとも10cm以上になります。
それゆえ、例えスプリットリングやスナップを使っていても、短いリーダーでラインのスレなどの劣化による結び直しを行うような釣りには向きません。
スナップやスプリットリングを外して単体で結べば捨て糸は少なくて済みますが、代わりに結び辛さや面倒臭さというデメリットが発生しますです。
更にラインをアイに直結する方は、ルアー交換のたびにリーダーが短くなってしまうというデメリットがあり、これは許容し難いものがあります。
ナイトゲームが中心となるアジングやメバリングのライトゲームでのパロマーノットは、ジグヘッドの小さなアイに折り返し部分を通すのも至難で、現実的には使いたくても使えない、また使う必要もないというのが正直なところです。
ルアーの自由度は損なわれるがスプリットリングやスナップを使うか、ルアー交換の都度ノットの組み直しが発生するが直結にするかは難しいところですが、いずれにしてもリーダーの長さ次第で仕掛けやリグに制限が加わると考えておいた方が良いでしょう。
また、太糸に向いた最強ノットということで、サルカンを使う投げ釣りや船釣りでも有用なノットですが、サルカンより下部の仕掛けが長いと、輪の中へ通してやるのは困難になります(輪の中にルアーを通した手順がネックとなります)。
スタート時の仕掛けを作る際にはサルカンを先に結べば良いですが、途中で結び直す時には、一度サルカン単体に戻してから結び直す必要があります。
例えば、サルカンの反対側のラインを一度カットしてやるとか、あるいはスナップ付サルカンなどで接続する仕掛けにしておくということです。
そして、パロマーノットの結束強度についても少し補足しておくと、最強ノットとして最大のパフォーマンスを出そうと思えば、キッチリと結ぶ必要があります。
結び方で紹介したように、環には折り返しのダブルラインが組み込まれていますが、結んだ際にこれがクロスすると、圧迫による破断を招き、極端に結束強度が弱くなります。
太糸を使う場合には、十分目で見て確認できるので、失敗していそうだと思ったら、結び直すことをお勧めします。
このように、パロマーノットは多くの点で制限や注意点を合わせ持つノットですが、デメリットのほとんどが悪影響を及ぼさないオフショアジギングやライトショアジギングでは非常に重宝されるノットです。
使い勝手も含めて少し癖のある結びですが、パロマーノットの結束強度は折り紙付きですので、強いノットをお求めの際は、是非一度この結びを試してみてはいかがでしょう。
パロマーノットの実演動画
パロマーノットを使ってルアーとラインを結ぶ方法はについては、動画でも詳しく紹介していますので、宜しければコチラの動画も合わせてご覧下さい
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